ソシエダ久保建英に試練? 怪我のエース復帰間近…W杯後に熾烈なポジション争いも 現地記者が指摘「苦しむことになるだろう」

ソシエダの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」のイケル・カスターニョ・カベージョ記者【写真:高橋智行】
ソシエダの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」のイケル・カスターニョ・カベージョ記者【写真:高橋智行】

昨季同様のシステムに変更する可能性は十分、現地記者が久保の起用法に言及

 エースのオヤルサバルが完全復帰を遂げた場合、攻撃のひと枠を占める可能性は非常に高い。そして中盤のレギュラーは現在、マルティン・スビメンディ、ブライス・メンデス、ミケル・メリーノ、ダビド・シルバの4人で決定している。そのため今後、ポリバレントな能力を高めている久保がどこでプレーするのか非常に気になるところだ。

 ソシエダは今季ここまでダイヤモンド型の4-4-2で戦い、十分な結果を出してきた。しかしカスターニョ記者は、「現時点で未知数ではあるが」と前置きしつつ、「オヤルサバルが復帰した場合、システムが彼に合わせて変更される可能性がある」と予想した。事実、今季のシステムは昨季、オヤルサバルが先発出場したラ・リーガの試合では一度も使われておらず、負傷離脱後に初めて採用されていた。

 オヤルサバルが昨季スタメン入りしたラ・リーガ19試合、アルグアシル監督が採用したシステムは4通りあった。最も多かったのは4-2-3-1で7回。続いてダブルボランチの4-4-2が6回、4-1-4-1と4-3-3が各3回だった。

 その間、オヤルサバルは左サイドハーフで10回(4-2-3-1:6回、4-4-2:4回)、右サイドハーフで4回(4-1-4-1:3回、4-4-2:1回)、左ウイングで3回(4-3-3)、トップ下で1回(4-2-3-1)、2トップの左で1回(4-4-2)ゲームをスタートしており、これまでどおり左サイドが主戦場となりそうだ。

 また久保がシーズン開幕前に今季の4-4-2について「右サイドのポジションがない」と語っていたとおり、基本的に両サイドのMFは中に絞ってプレーするため、サイドアタッカーに特化したポジションは存在しない。そのためオヤルサバルが得意とする左サイドを幅広く使いウイングとしてプレーできるように、アルグアシル監督が昨季同様のシステムに変更する可能性は十分あると考えられる。

 中盤の選手の起用法との兼ね合いになるものの、カスターニョ記者は1つの可能性として4-3-3を挙げ、久保のポジションについても言及した。

「もし4-3-3に変更された場合、セルロートをCF(センターフォワード)、オヤルサバルとタケをウイングとして起用する可能性がある。一方、このままいつもどおりの4-4-2で臨む場合、オヤルサバルとセルロート、またオヤルサバルとタケが2トップを組むかもしれない」とオヤルサバルを軸に、久保が右ウイングやこれまでどおりの2トップのレギュラーとして入る可能性を示唆した。

page1 page2 page3

高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング