元JリーガーがNHKディレクター転身で番組作り 闘莉王“取材指令”で奮闘…「全く知らない世界」で感じた魅力とやりがい

約2年の継続取材…佳作と自己評価するNHKスペシャル「逆境 その先へ“最強”日本バドミントン」

 佳作と自己評価する番組が、昨年7月18日放送のNHKスペシャル「逆境 その先へ“最強”日本バドミントン」だ。東京五輪へ臨む男子シングルスの桃田賢斗、女子ダブルスの福島由紀、廣田彩花ペアに密着した1時間のドキュメンタリーで、中川は“フクヒロ”を担当。「五輪が延期される前から2年近く継続的に取材しました。長期取材だからこそ得られる楽しさに加え、両選手の人柄に魅力を感じたからです」と理由を述べた。

 多様な番組作りにかかわっていくなかで、「スポーツが持つ無限の力をずっと伝えていきたい」と力こぶを入れる。19年10月29日の「サンデースポーツ」では、ロンドン五輪女子近代五種に出場した黒須成美さん、元プロ野球阪神の奥村武博さんにスポットを当てた。「お二人とも、スポーツで養った力が引退後の仕事に生かされ、ものすごい活力になっているという企画です。こういう番組作りはこれからも続けたいですね」と弾むような口調で語った。

 黒須、奥村両氏の生き様と、サッカー選手から転身した中川の現在を重ね合わせているようでもあった。

(文中敬称略)

[プロフィール]
中川直樹(なかがわ・なおき)/1984年6月13日生まれ、東京都出身。浦和レッズユース―浦和。Jリーグ通算0試合0得点。2003年から浦和に2年間在籍し、契約満了を受けて大学進学を決意。1浪の末に早稲田大学商学部に入学し、卒業後は日本放送協会(NHK)に就職。現在はNHKの中堅ディレクターとして精力的に活動している。

(河野 正 / Tadashi Kawano)



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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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