ソシエダ久保建英の台頭、なぜ予想外の「朗報」? 現地記者が「普通のことではない!」と衝撃を受けた理由

久保建英について語った地元ラジオ局「ラジオ・エウスカディ」のチェマ・オリデン記者【写真:高橋智行】
久保建英について語った地元ラジオ局「ラジオ・エウスカディ」のチェマ・オリデン記者【写真:高橋智行】

現地記者も感嘆「タケがこれほど早くチームにフィットしたことに驚いているよ」

 イマノル・アルグアシル監督は試合後、後半苦しんだ原因について「前半は我々が相手を圧倒していたので、少なくとも2、3点差でハーフタイムを迎える必要があった。にもかかわらず、試合を早々に終わらせることができなかった」とチームの決定力不足を挙げていた。

 得点、アシストともになかった久保だが、ソシエダの地元紙「エル・ディアリオ・バスコ」は「ボールの有無に関係なく多大な貢献を果たし、モヒカを外に引っ張る2つの動きがゴールとPKにつながった」とオフ・ザ・ボールの動きを称賛し、4点(最高5点)と高評価した。一方、スペイン紙「AS」、「マルカ」の評価はともに1点(最高3点)だった。

 レアル・ソシエダを担当する地元ラジオ局「ラジオ・エウスカディ」のチェマ・オリデン記者は試合後、この日の久保のプレーについて次のように振り返ってくれた。

「タケクボはレアル・ソシエダ加入後からずっと攻撃面でアクティブなプレーをし続けており、今日もそうだった。多くの動きで積極的にプレーに参加しようとする姿勢は、彼をマークするDF陣にとってはとても厄介なものだよ。しかし後半は少し疲れのせいで精度が落ちてしまった。レアル・ソシエダに加入してからのタケに対する私の評価は、中の上といったところだ」と自身の見解を示した。

 開幕からここまでの久保の印象については、「タケがこれほど早くチームにフィットしたことに驚いているよ。加入後の日も浅く、チームメイトとのオートマティズムを身に付けているわけでもないのに、開幕戦からあのようなパフォーマンスを見せられるなんて普通のことではない! それはチームにとって朗報だ」と、久保の適応能力の高さとチームの一員としての働きぶりに感嘆の声を上げた。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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