ソシエダ久保建英の台頭、なぜ予想外の「朗報」? 現地記者が「普通のことではない!」と衝撃を受けた理由

ソシエダでプレーする久保建英【写真:Getty Images】
ソシエダでプレーする久保建英【写真:Getty Images】

【スペイン発コラム】今回ソシエダ加入の久保、ベンチ予想を覆して開幕から連続先発

 レアル・ソシエダに今季加入した久保建英に対してシーズン開幕前、スペインの現地メディアの多くは、ベンチスタートが濃厚との見解を示していた。しかしリーガ・エスパニョーラ開幕から2週間が経過した今、FWミケル・オヤルサバルなどの攻撃陣が故障中という事実はあるものの、久保のスタメン入りに異論を唱えるものはおそらくほとんどいないだろう。

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 第2節を終えた後、FWアレクサンデル・イサクがニューカッスルへ電撃移籍したことは、少なからずチームの痛手となった。これまでイサクと2トップを組んでいた久保は、リーガ第3節エルチェ戦でも当然のように先発出場を果たしたが、モハメド=アリ・チョーがスタメンに入ったことにより、今回のポジションは2トップの右だった。

 前節バルセロナ戦での“ガス欠”による大敗と、イサク退団の影響が懸念されたが、ソシエダはそのことを微塵も感じさせず、キックオフからゲームを支配していく。久保は序盤から積極的にDFの裏を狙う動きを見せ、前半18分にはグラウンダーの強烈なシュートで相手GKを脅かすプレーを見せた。

 ソシエダは同20分、MFマルティン・スビメンディの針の穴を通すような正確なスルーパからMFブライス・メンデスが先制点を記録。さらに同34分、チョーがファールを受けPKを獲得するが、キッカーを務めたMFミケル・メリーノのチップキックはGK正面に飛び、追加点を奪うことはなかった。

 後半開始後もレアル・ソシエダが有利にゲームを運び、同3分に久保が至近距離からゴールを狙うが、後ろからチェックを受けGKにストップされてしまう。その後も久保はチームメイトと連係しながら追加点を狙う動きを見せるが、猛暑の影響を受けたチームとともにパフォーマンスが低下していった。さらに同点ゴールが求めるエルチェに流れが傾き始めると、久保は守備に追われる時間が増え疲労の色が濃くなり、同33分にシルバとともにピッチを退いた。チームは苦しみながらも後ろに引いて前半の1点を守り抜き、1-0で勝利してアウェー2連勝を達成した。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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