“次世代のエース”から“真のエース”へ 小川航基が掲げる理想のストライカー像、日本人選手で参考しているのは?

鈴木優磨、大迫勇也、上田綺世(鹿島時代)【写真:Getty Images】
鈴木優磨、大迫勇也、上田綺世(鹿島時代)【写真:Getty Images】

同世代の上田綺世は「ゴールを奪うタスクに関してずば抜けている」

 日本人選手では、ヴィッセル神戸のFW大迫勇也を「動き出し、ポストプレーで参考になるところがある」と称し、試合を見ていると話す小川。J1リーグの得点ランキング7位タイ(7ゴール)につける鹿島アントラーズのFW鈴木優磨、同1位で今夏に鹿島からベルギー1部サークル・ブルージュに移籍した東京五輪世代のFW上田綺世の2人は、小川の目にどのように映っているのか。

「鈴木優磨選手はサイドに流れたり、FWだけじゃない仕事もこなしている印象です。中央にいることに専念して、ほかの選手がそれに合わせることができれば、もっと点を量産すると思います。(上田)綺世もめちゃくちゃいいFWですね。(年代別)代表でも一緒にやりましたけど、ゴールを奪うタスクに関してはずば抜けている。綺世のほうがよりゴールに特化していて、僕はほかにもポストプレー、しなやかさも売りにしている感じ。綺世の動き出しとかは参考にしています。綺世ら同世代の選手たちは、『自分もやらなきゃいけない』『負けたくない』という気持ちにさせてくれるかけがえのない存在。彼らの活躍はすごく刺激になりますね」

 7月のE-1選手権は国内組から選ばれた日本代表で臨み、J1の選手を対象に構成されたこともあり、J2でゴールを量産していた小川の名前はメンバーリストになかった。大会優勝を決めた韓国戦を含めて森保ジャパンの戦いをチェックしたという小川は、「一番大事なところはE-1選手権ではないと思っています」と語り、ワールドカップ出場が自分の目指すべき場所だと位置づける。

「ワールドカップという舞台に立てるか立てないか。FWは点を取れる時は取れる、取れない時は取れない世界ですけど、毎試合、ないしは最低2試合に1点を取れれば、トップクラスのストライカーと評価される。ゆくゆくは海外のトップ・オブ・トップでプレーしたいし、結果を出し続ければそういうチャンスも巡ってくるはず。ワールドカップに出場して、得点を取ることが目標なので、そのためにしっかり実力をつけたいと思います」

“次世代の星”から“真の日本のエースストライカー”となるべく、小川は静かに牙を研ぐ。

[プロフィール]
小川航基(おがわ・こうき)/1997年8月8日生まれ。神奈川県出身。桐光学園高―磐田―水戸―磐田―横浜FC。J1通算23試合11得点、J2通算104試合35得点、日本代表通算1試合3得点。どこからでも、どんな体勢でもゴールを奪える生粋のストライカー。2017年に左膝の前十字靭帯断裂および半月板損傷、東京五輪のメンバー落選など数々の試練を乗り越え、横浜FCで秘めたる才能を存分に発揮している。2019年12月のE-1選手権では、若林竹雄、平山相太に次ぐ史上3人目となるA代表デビュー戦ハットトリックの偉業を達成。

(FOOTBALL ZONE編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)



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