森保ジャパンとPSGの5.5倍“観客差問題” 日本代表OB、E-1 優勝の意義を指摘「反骨心がJリーグの価値を高めた」
【専門家の目|金田喜稔】3戦合計でPSGが16万4348人、日本代表が2万9623人
森保一監督率いる日本代表は7月27日、豊田スタジアム開催のE-1選手権第3戦で韓国代表に3-0と勝利し、2013年大会以来2度目の優勝を決めた。大会期間中、来日中だったフランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)と日本代表の観客数が話題を集めたなか、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は「サッカーの入り口は、PSG、日本代表、Jリーグのどれでも構わない」と言及。そのうえで、森保ジャパンの優勝が「Jリーグの価値を高めた」と評価している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、ブラジル代表FWネイマール、フランス代表FWキリアン・ムバッペらPSGのスター軍団が来日。7月20日の川崎フロンターレ戦(2-1/国立競技場)が6万4922人、同23日の浦和レッズ戦(3-0/埼玉スタジアム2002)が6万1175人、25日のガンバ大阪戦(6-2/パナソニックスタジアム吹田)が3万8251人と多くの人がスタジアムに足を運んだ。
一方、国内組で臨んだE-1選手権の日本代表は、同19日の香港戦(6-0/茨城県立カシマサッカースタジアム)が4980人、同24日の中国戦(0-0/豊田スタジアム)が1万526人、同27日の韓国戦(3-0/豊田スタジアム)が1万4117人だった。
スタジアムや曜日、時間帯などの諸条件を除いた単純な3戦合計では、PSGが16万4348人、日本代表が2万9623人と約5.5倍の人数差がある。
金田氏は「PSGはメッシ、ネイマール、ムバッペらがいて、こんなスター軍団が揃って日本に来ることは滅多にないのだから、彼らが注目を浴びるのも当然と言えば当然だ。日本代表の観客数に寂しさを覚えていたのはサッカー関係者だけでなく、当の選手たち、スタッフらも同じだろう。ただ決してサッカー人気自体が低いわけではない」と語り、次のように続ける。
「もしサッカー人気がなければPSGの試合も観客はもっと少なかったはずだ。PSGのスターたちを見たいという人があれだけいることは、日本サッカー界にとってポジティブな話。なぜなら、それだけサッカーに興味を持っている人がいるわけで、サッカーのポテンシャルを示す人数でもある」
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。