【“金J” 開幕戦・多摩川クラシコ対談・後編】サイドバックでプレーする醍醐味へ言及

　2022年のJリーグが、いよいよ2月18日に開幕する。今回で5シーズン連続となる「金J」での開幕になるが、そのオープニングマッチを飾るのは、3連覇を目指す川崎フロンターレとアルベル新監督を迎えたFC東京による「多摩川クラシコ」だ。

　この大一番に向けて、「FOOTBALL ZONE」は、「DAZN Jリーグ推進委員会」の開幕企画で、川崎の山根視来、FC東京の長友佑都の特別対談を実施。ともにカタール・ワールドカップ（W杯）アジア最終予選を戦っている日本代表にも選出されているサイドバックによる攻防は、ゲームの行方も左右すること間違いなし。今シーズンのJ1で、最初の白星を目指す両クラブのキーマンによる対談、その後編をお届けする。（取材・文＝河合 拓／全3回の3回目）

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――サイドバックというポジションは、求められる仕事が非常に増えているポジションだと思います。山根選手は、昨シーズンだけで2ゴール12アシストを記録して、Jリーグでアシスト王になりました。また、その前のシーズンも4ゴール6アシストと、多くの得点に絡んでいますが、「サイドバックの魅力」というのは、どんなところにあるでしょうか？

山根　僕が一番好きというか、やっていて気持ちいいと思うのは、自分のところに寄せられたけれど、そこを打開して戦局がガラッと変わった時ですね。ただ、それだけだと、なかなか評価されないので、数字で目立つしか、僕が上に行く手段はないのかなと思っています。その数字を残すことは、すごく意識しています。

長友　12アシストもしているの？　すごいね！

山根　ありがとうございます（笑）。

長友　しかも、セットプレーは蹴ってないんでしょ？

山根　蹴ってないですね。

長友　すごいね、それ。ウイングでも、なかなか出せない数字だよ。リーグ全体のアシスト王だったの？

山根　はい。昨シーズンは、ナンバーワンでした。

長友　マジで？　そんなこと全然、言ってなかったじゃない。すごいよ、それは。

――山根選手は2020シーズン、昨シーズンの活躍によって周囲の期待値も、相当に高まっていると思いますが、毎年、この数字を超えるという意識は持っているのですか？

山根　前年を上回りたい思いは、当然、あります。ただ、サイドバックは基本的に使われるポジションなので、その記録を更新できるかは、周囲との絡みもありますし、僕がむやみに前に行ったからといって、良い数字を残せるわけではありません。しっかりと周りと連動することや1人でサイドを駆け上がってクロスを上げきるシーンも、今後は必要になってくると思っています。

――長友選手はいかがですか？　「サイドバックの魅力」については。

長友　僕がやっていて魅力を感じたり、気持ち良かったりするのは、相手のキープレーヤーのような選手を止めて、途中交代させたり、精神的にやられている顔を見たりすることですね。サイドバックは基本的にサイドで1対1をやるので、個々の勝敗が決まるんです。それが魅力だと思います。また、守備と攻撃の両方に絡めるところも魅力ですし、サイドバックをやっていて良かったなと思いますね。