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「サッカーの見方が180度変わった」 東大・林監督、解説者との二刀流で磨かれた能力とは?
【独占インタビュー】東大ア式蹴球部を率いる林陵平、監督デビューイヤーは「50点くらい」
東京大学運動会ア式蹴球部は12月26日、チームを率いる林陵平監督との契約延長を発表した。「Football ZONE web」ではシーズンを戦い終えたばかりの林監督にインタビューを行い、監督デビューイヤーを振り返ってもらった。サッカー中継の解説者としてもおなじみになってきた35歳の指揮官が明かす、監督業と解説業との“二刀流”によって見えてきたものとは――。(取材・文=石川遼/全2回の1回目)
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林監督は2020年シーズンをもって現役を引退し,そのまま東京都大学リーグ1部に昇格した東大ア式蹴球部の監督に就任した。Jリーグ通算300試合67得点の輝かしい成績を残したストライカーがいきなり大学サッカーで監督デビューを果たすと注目を集めた。
とはいえ、コロナ禍で試合が中止となったり、チームの活動自体が停止する期間もあるなど監督キャリアは1年目からハードモードだった。黒星が続き、初勝利を挙げるまでに11試合、およそ3か月以上の期間を要した。
結局、林監督率いるア式蹴球部がシーズン(24試合)を通して手にした白星はわずかに2つ。2勝3分19敗、勝ち点9で13チーム中最下位となり、来季は2部リーグ降格となった。選手としては明治大時代に関東リーグ1部で優勝を経験している林監督だが、東大では東京都リーグ1部の洗礼を浴びた。
「正直、僕たちにとって1部リーグのレベルは凄まじく高かったです。うちにはスポーツ推薦の選手もいないですし、同じリーグの大学と比べてもアスリート能力に圧倒的な差がありました。シーズン終盤には自分たちのやるべきことができるようにもなってきましたけど、トータルの出来としては50点くらい。
プロチームでは、ある水準以上の技術を持った選手が揃っていて、大まかなことを指示されれば自分たちで解決することができる。ただ、僕らの場合は技術が高い選手ばかりではないので、そう簡単にはいきません。そういった部分での難しさはありました」
現役時代にネルシーニョ、ミゲル・アンヘル・ロティーナら名監督の下でプレーし、影響を受けてきた林監督は自らを「理論と熱さを両方持っている監督」と語り「選手たちが点を決めた時に一緒に喜べるような監督でいたい」と指揮官としての理想像を思い描いてきた。思うような結果が出せないなかでも、選手たちのモチベーションを下げないようなマネジメントの部分では手応えも感じたという。
「1つ、自分で自分を褒めるとしたら勝てていないなかでのチームマネジメントですね。僕が選手の時もそうでしたけど、勝てないとチームはどうしても暗くなってしまったり、落ち込んでしまいます。そういう時にチームの雰囲気を悪くさせず、選手たちがポジティブにトレーニングできる環境を作るのはすごく上手くいったと思っています。選手たちはいくら相手が強くても、負けてしまったら当然悔しい。そういう時にはオフをうまく使いながら、オフ明けから次の試合に向けて選手が100%でトレーニングに取り組めるような環境を意識して作っていました」