マルチな才能と「エロいプレー」の美学 リリー・フランキー×森重真人対談【後編】

システムを壊すエロティックなプレー

――サッカーでも『エロいプレー』という表現をすることがあります。同性から見ても、セクシーさを感じるお二人に、その秘訣を聞きたいです。

リリー サッカーには、エロいプレーというのがあるんですね(笑)

――森重選手のプレーは、かなりエロいです。

一同 ハハハハ。

リリー かといって森重さんが半尻出してボールを蹴っているわけじゃないですよね?(笑)

森重 もちろん違いますよ(苦笑)。

リリー 同性の方に、性を褒められるのはうれしいですよ。同性の人と、年配の方にセクシーと言われるのは一番うれしいんじゃないですか? それは生命力があると思われていると、僕は受け取っているから。森重さんは400試合出ているので、そういう意味で超エロいですよね?

森重 相当、エロいですね(笑)。自分もうれしいですよ、褒め言葉と勝手に解釈して受け取っているので。ニュアンスとしても、エロいという語感でなんとなく意味は分かります。セクシーなプレーをしすぎて、逆に怒られることもあるので度を過ぎることはやめようかなと(苦笑)。

リリー サッカーの中でエロいプレーというのは、一筋縄ではいかない、曲者っぽいプレーのことを指すのでしょうか?

森重 そうですね。予想外なプレーだったり、駆け引きで相手の一歩上を行くプレーを指すのだと思っています。

リリー 日本人の感性で言えば、焼き肉に行ったらタン塩から食わなきゃいけない、キスから始めなきゃいけない構造主義がありますからね。そこを壊していくのがエロティックですよね。プレーでも、日々の生活でも。最後にタン塩食っちゃった、最後にキスしちゃったというのが、エロいプレーの根源だったり、構成力みたいなものかもしれないですね。サッカーで言えば、この人、この場面で蹴らないじゃんみたいなことかな。

森重 あっ、よく言われます、それは(苦笑)。

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