“バブル崩壊”バルサ、負債額1755億円の衝撃 苦難直面も…“ソシオ制”維持の姿勢に期待

“バブル崩壊”とも称されるバルセロナ【写真:Getty Images】
“バブル崩壊”とも称されるバルセロナ【写真:Getty Images】

【英国発ニュースの“深層”】英国から見たバルサ騒動、負債額に感じた理不尽さ

・2014-15シーズン:5億6080万ユーロ
・2015-16シーズン:6億2020万ユーロ
・2016-17シーズン:6億4830万ユーロ
・2017-18シーズン:6億9040万ユーロ
・2018-19シーズン:8億4000万ユーロ
・2019-20シーズン:7億1500万ユーロ

 8月20日付の為替レートを参考に1ユーロ=130円で計算して日本円表記にすると、2014-15シーズンから729億400万円、806億2600万円、842億7900万円、897億5200万円、1092億円、929億5000万円となり、6シーズンの合計はなんと5297億1100万円にも到達する。

 これは世界のサッカークラブを収入でランク付けする会計事務所『デロイト』のフットボール・マネーリーグから抜粋した、2014年から2020年までのバルセロナの総収入額だ。お気づきの読者も大勢いると思うが、実はこれ、前任のジョゼップ・マリア・バルトメウ会長の在任期間の数字である。

 2014年に会長に就任してからクラブの売り上げはまさに右肩上がり。2018-19シーズンは特に秀逸である。サッカークラブとして総収入が史上初となる8億ユーロ超えを記録。日本円にしても1000億円を超えて、1996年に開始されたマネーリーグでトップを独占し続けたレアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッドを押さえて、バルセロナが初めて首位に躍り出たシーズンでもあった。

 しかし去る8月16日、今年の3月に再選出されたジョアン・ラポルタ会長が記者会見を開き、現時点でクラブの負債が13億5000万ユーロ、日本円にして1755億円に上ると明かした。これでメッシの退団から揺れに揺れるバルセロナの実情が明らかになったわけである。

 原因は、これはもう一目瞭然、前会長のあまりにも杜撰(ずさん)な放漫経営だ。しかもバルトメウ前会長には様々な不正疑惑も降りかかっている。今年の3月にプロモーション企業「I3ベンチャーズ」への支払いを実際の金額より少なく、しかも分割で支払ったと報告することでクラブ内部の財政管理の目をごまかしたとされ、逮捕された。しかし勾留中に黙秘権を行使し、留置場で一晩過ごしただけで釈放されている。

 けれども今回ラポルタ会長が明かした負債額を見ると、こんな容疑は氷山の一角だろう。バルトメウ前会長の就任期間中、特にコマーシャル収入を増加させ、クラブの売り上げを驚異的に伸ばしたデロイトの数字と、ラポルタ会長が明かした負債額を照らし合わせたら、SNSを使ってリオネル・メッシやジョゼップ・グアルディオラ監督、またシャビといったクラブのレジェンドを批判し、バルセロナのイメージを操作したことに使った金銭だけでは収まらない浪費や不正が行われたはずだ。

 実際、ラポルタ会長は、移籍関連で代理人やスカウトに対し、不明瞭な支払いがあったことも明かしている。

森 昌利

もり・まさとし/1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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