「誰も見たことがない人生へ」 JFLから駆け上がった果敢なSB…福西崇史×小池龍太対談【後編】

横浜F・マリノスDF小池龍太のアグレッシブなキャリアに注目【写真:Getty Images】
横浜F・マリノスDF小池龍太のアグレッシブなキャリアに注目【写真:Getty Images】

【月間表彰】7月の「月間ベストアグレッシブプレーヤー」に横浜FMのDF小池龍太を選出

「DAZN」のパートナーメディアで構成される「DAZN Jリーグ推進委員会」では、各月ごとに各部門の表彰を実施している。「Football ZONE web」では、現役時代に強靭なフィジカルと戦術眼を武器に日本代表としても活躍した福西崇史氏に、その月に最もアグレッシブなプレーを見せた選手を選出してもらっている。
 
 福西氏が7月度の「月間ベストアグレッシブプレーヤー」に選出したのは、J1リーグで5月下旬から7連勝を飾り、首位の川崎フロンターレを猛追している横浜F・マリノスのDF小池龍太だ。横浜FMの7連勝は、小池が右サイドバック(SB)で先発すると同時に始まっている。7月の2試合でも、暑さをものともせずに上下動を繰り返した小池は、その量だけでなく、質の高いフリーランニングでチームの勝利を支えた。
 
 前編では、小池のアグレッシブさを象徴するシーンを試合のなかから切り取り、そのプレーについて福西氏が尋ねた。そのプレーを見事に言語化した小池は、JFLからトップカテゴリーでのキャリアをスタートさせ、J3、J2、J1を戦い、一度は欧州移籍も果たすなどステップアップしてきた。クラブの破産という予期せぬ形で欧州挑戦はストップしたが、帰国後はJリーグの強豪である横浜F・マリノスで活躍している。後編では、そんな小池の“アグレッシブ”なキャリアを振り返る。

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福西 あらためて、小池選手といえば走る力が凄いのですが、体力は子供の頃からあったのですか?

小池 そうですね。ずっとサッカーをやってきましたが、走り負けることはありませんでした。中学校の時も推薦されて駅伝に出たりしていましたし、走りのテストは上の学年に入っても上位には入れていたので、その過程で自信がついていったと思います。

福西 すごいなぁ。また、中学生の時にJFAアカデミー福島にも入りました。そこに入るのも狭き門でしたよね?

小池 受験者数が多くて、結構、大変な試験でした(笑)。

福西 僕からすると「エリートじゃないか」という気もするのですが、そこからは当時JFLのレノファ山口に進んでいます。サッカーで自信が付き始めたのは、いつからですか?

小池 特に日本代表とか、年代別の代表に入ったことがないので、自分がどのようにプロになるかが明確ではありませんでした。高卒の時点では、最終的にプロ契約をつかみ取ることはできずに、アマチュア契約でJFLからキャリアをスタートさせましたが、その時も「プロサッカー選手だ」という気持ちで取り組んではいました。その時にJFLからJ3に昇格できたことが、すごく自信になりました。試合に出続ける力を身につけたり、試合に出続けるメンタリティーを培えたりできたことで、自信も芽生えていったと思います。

福西 凄いですよね。だってJFLからスタートして、海外移籍までしていますからね。当時は、どういう気持ちで海外に行ったのですか?

小池 今までJFLからJ1に行くという人も、あまりいなかったと思います。常にチャレンジしてきたのは、僕のなかで大きくて、誰も見たことがない人生というか、選択肢を自分が選べているという喜びで、海外まで自分で行ってみようという気持ちで突っ走りました。

福西 もうプレースタイルと一緒ですね(笑)。

小池 はい(笑)。

福西 海外で得たものはありますか?

小池 正直、まだまだ通用しない印象が大きく残っています。1対1の局面や目の前の勝負、一つひとつにこだわるところ。それに、よく日本人に足りないと言われる我を出すところ。やっぱり向こうの選手は、人生を懸けているなとヒシヒシと感じましたし、そういうところは培うことができたと思っています。

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