日本在住の中国人留学生、W杯最終予選の“本気対決”に期待 日中の注目選手は?

山梨学院大に在籍し、将来中国でのサッカーコーチ就任を目指すチョウ・ジョウズイ
山梨学院大に在籍し、将来中国でのサッカーコーチ就任を目指すチョウ・ジョウズイ

日本のMF久保建英、中国のMFチャン・シージャーにチョウ・ジョウズイ氏は注目

 そんなチョウ・ジョウズイ氏に、ワールドカップ予選で日本人に見てほしい中国人選手、そして警戒している日本人選手について聞きました。

「中国であれば、MFチャン・シージャーです。北京国安の10番でエースです。日本代表で例えるなら鎌田大地選手(フランクフルト)に近く、ドリブルもパスも上手い。長谷部(誠)選手や大久保(嘉人)選手は去った後ですが、2014-15シーズンはドイツのヴォルフスブルクにいたこともあります。ぜひ注目してほしいです。

 日本人選手では、やはり久保建英選手です。彼がレアル・マドリードへ加入した時には、中国の一般のニュースでも取り上げられていて、その時彼を知りました。本田圭佑選手や南野拓実選手より人気があります。日本人選手がレアル・マドリードに入る。しかも、当時18歳。これは中国のサッカーファンも偉業と認め、そして若い選手たちは大きな影響を受けました。『アジア人でもこんな可能性があるんだ』と」

 特に私の印象に残ったのは、久保選手がレアル・マドリードに加入したことを中国のサッカーファンも喜び、そして中国の若い選手たちの視座が高くなった、という話です。

 先日の東京五輪でも、陸上100メートル男子準決勝にて中国のソ・へイテン選手が9秒83という驚異的な記録を出し、トップの成績で決勝に進出しました。短距離走というアジア人が苦手とする分野での大躍進に、私も驚きました。日本のSNSでも「アジア人の誇りだ」「正直中国はあまり好きでないが、これは素晴らしい」といった声であふれていました。

 これと同じことが久保選手のレアル・マドリード加入により、当時中国で起きていたのです。

 彼が挙げたチャン・シージャーも、中国サッカー番組「足球100分」で、日本と同組になり、「ここ10年、本気の日本と試合ができていなかった。本気の日本代表と試合がしたい。私たちも最善を尽くす。日本は全員ヨーロッパでプレーしていて、彼らの実力が上なのは間違いない」と日本を認めてくれています。

 そんな彼らのように、多くの人が期待する日中の本気試合。やはり日本サッカーは素晴らしい、と彼らに言わせることができるのか。それとも期待外れと言われてしまうのか。
先日の五輪チームを見る限り、彼らの期待に応えられると、私は確信しています。

[著者プロフィール]
久保田嶺(くぼた・れい)/1991年生まれ、埼玉県出身。中国最大のサッカーメディア「懂球帝」にて、日本人初の公認アカウントとして活動をしている。

(久保田嶺 / Rei Kubota)



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久保田嶺

1991年生まれ、埼玉県出身。「Rouse Shanghai Co.,Ltd.」代表。日中スポーツに関する広告や選手/指導者のマネージメントを手掛ける。自身の中国SNSフォロワー数も40万人と中国サッカー界で一番有名な日本人として知られ、日本へ中国サッカー情報を発信する。

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