世界女王アメリカに「勝てた試合だった」 新生なでしこ初陣で高倉監督が得た手応えと課題

就任初戦にわずか2日間の準備期間で臨む

 なでしこジャパンの監督としての初陣で世界女王アメリカを相手に敵地で引き分けた高倉麻子監督は、「勝てた試合だった」と悔しさをにじませた。2日(日本時間3日)に、なでしこジャパンはコロラド州デンバーでアメリカ女子代表と国際親善試合を行った。2点を先制するものの退場者を出す苦しい展開で一時は2-3と逆転されたが、試合終了間際に同点ゴールを決めて3-3と引き分けている。

「チームの守備組織のところで、若干ラインの調整を修正しながら攻撃にいい形で入っていくトレーニングと話し合いをした。ある程度今日は、あまり練習ができていないのに理解してやろうとしてくれた」

現地入りは5月31日と、わずか2日間の準備期間で臨んだゲームだった。佐々木則夫前監督の下で戦ったリオデジャネイロ五輪アジア最終予選で敗退し、仕切り直しの一戦は2012年ロンドン五輪や15年カナダ女子ワールドカップの決勝で敗戦したアメリカが相手となったが、なでしこらしいグラウンダーのパスを軸にした攻撃と、最終ラインを高い位置に保ってゲームを進める“高倉イズム”は垣間見えた。

 そして、その成果は前半のうちに現れた。前半14分、MF阪口からのショートパスをペナルティーエリア右サイドの角付近で得た岩渕真奈(バイエルン・ミュンヘン)が左足ミドルシュートを決めて先制。同22分には敵陣でショートパスを細かくつないだところから、右サイドでフリーになったMF中島依美(INAC)がダイレクトでクロスをゴール前へ。相手DFの背後から一気に前に入ったMF大儀見優季(フランクフルト)が右足で合わせてゴール左に蹴り込み、2-0とリードを広げた。

 

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