前半にマスチェラーノが一発レッドも、セビージャとの死闘を制す

　守備の要、絶対的得点源を失っても王者は勝負強さを見せつけた。バルセロナは22日、スペイン国王杯（コパ・デル・レイ）決勝でセビージャと激突した。守備の要が前半に退場となり、今季得点王のFWルイス・スアレスが故障離脱を余儀なくされる危機的状況で迎えた延長戦の死闘の末に、FWリオネル・メッシの2アシストの大活躍で2-0の勝利を飾った。リーガ・エスパニョーラとの国内二冠を見事に達成した。

　リーガ連覇を果たしたバルセロナと、UEFAヨーロッパリーグ前人未到の3連覇を果たしたセビージャ。ともに二冠を目指すチーム同士、2015-16シーズンのラストマッチでともにベストメンバーを揃えて激突した。

　緊迫した展開のなかで前半37分、試合を大きく左右する判定が下る。セビージャのゴールキックをMFビセンテ・イボーラがヘディングですらすと、これに反応したFWケビン・ガメイロが最終ライン裏に抜け出る。これを阻止しようとしたDFハビエル・マスチェラーノが、ペナルティーエリア直前でガメイロのユニホームを引っ張ってしまう。このプレーに対して主審はマスチェラーノに迷うことなくレッドカードを提示した。これによってバルセロナは、残り時間を10人でプレーする苦境に陥った。

　前半を0-0で折り返すと、バルセロナは後半からMFイバン・ラキティッチに代えてDFジェレミ・マシューを投入し、守備の安定を図った。しかし同5分にはMFエベル・バネガの痛烈なシュートがポストに直撃するなど、セビージャが押し込む場面が続いた。