英国ファンの“心の狭さ”は凄まじい マンC、悲願のCL優勝を逃し“赤い半分”が熱狂

マンUのトレブル達成時には、人気DJの呼びかけが大炎上を招く

 また、ここまで記して思い出したのが99年5月26日、ユナイテッドのトレブル達成当日のお話。その日の朝、当時の英国で抜群の人気を誇ったDJクリス・エバンスが、自身のラジオ番組で「今夜の試合はマンチェスター・ユナイテッドをイングランドの代表だと思ってみんなで応援しよう」と呼びかけたのである。

 確かにイングランドのチームは1984年のリバプール以来、欧州最強の座をつかんでおらず、クリス・エバンスのこの提案にも一理はあったと思う。しかし、この呼びかけに対するリスナーの反応はまさに猛反対の嵐だった。「そんなこと死んでもできるか」「いつ誰がマンチェスター・ユナイテッドをイングランドの代表にしたんだ?」というクレームが殺到し、絶対的ダメ出しを食らったのである。

 長年イングランドに暮らして、自分にもご贔屓チームができると、「クリス・エバンスも血迷ったな」と、このリスナーの反応は容易に理解できる。そしてこうしたファンの偏狭さが、プレミアの真剣勝負の大きな要素となっていることに思い当たる次第である。

(森 昌利 / Masatoshi Mori)


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森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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