英国ファンの“心の狭さ”は凄まじい マンC、悲願のCL優勝を逃し“赤い半分”が熱狂

レスターのFA杯優勝でリネカーが大はしゃぎ、BBCには124件の苦情が…

 ちなみに2018-19シーズンに、シティがプレミア、リーグカップ、FAカップという国内トレブルを達成し、2000-01シーズンにはリバプールがリーグカップ、FAカップ、UEFAカップ(現・UEFAヨーロッパリーグ)のカップ戦3冠を達成しているが、ユナイテッドサポーターに言わせると、これらは「まともなトレブルではない」ということになる。

 確かにプレミア、FAカップ、CLのトレブルは偉大。これにリーグカップを合わせて4大トロフィーとなるが、その重い順に3つ優勝しているわけだ。

 現代では国内リーグとCLの2冠を達成すれば、それが究極のダブル、最強の証と言って良い。それがこのダブルを含めたトレブルとなれば、それはもう究極中の究極のシーズンとなる。

 ところが今年4月の時点で、シティには4冠の可能性も十分残っていた。しかしFAカップ準決勝、そして今回のCL決勝でともにチェルシーに敗れ、結局はプレミア、リーグカップの2冠に終わった。

 まあ、シティがCLを勝っても(戦前の下馬評では今季のプレミア王者の絶対的有利が予想されていた)、プレミア、リーグカップとの3冠では、やはり99年のトレブルの組み合わせのほうが偉大だと、ユナイテッドサポーターが言い張るのは間違いない。しかしやっぱり、地元のライバルチームのサポーターが、来季のスタジアムでチャンピオン・オブ・イングランドに加えて『チャンピオン・オブ・ヨーロッパ』とチャントするのはかなわない。レッドデビルズのファンが、シティがチェルシーに負けて大きく胸を撫で下ろしたことは想像に難くない。

 それはともかく、イングランドのクラブ・サポーターのこういう心の狭さは本当に凄まじいし、また面白い。先日のFAカップ決勝でレスターが悲願の初優勝を飾った「BBC」の生放送には、124件の苦情が届いたという。

 なぜなら、司会を務めたレスター出身のギャリー・リネカーが、子供時代から愛する地元クラブの優勝にはしゃぎすぎたからだった。

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森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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