英国ファンの“心の狭さ”は凄まじい マンC、悲願のCL優勝を逃し“赤い半分”が熱狂

CL決勝でチェルシーに敗れたマンチェスター・シティ【写真:AP】
CL決勝でチェルシーに敗れたマンチェスター・シティ【写真:AP】

【英国発ニュースの“深層”】名将ペップの采配ミス? マンCのCL決勝敗戦にユナイテッドファンが安堵

 もちろん、マンチェスター・シティのファンにとっては痛恨の敗北だった。

 名将の誉れ高いジョゼップ・グアルディオラではあるが、考えすぎる性格が災いするのか、時折、戦略的にティンカーマン(英国で“悪いところがないのにいじくり回して物を壊してしまう人”を表現する言葉。ちなみにクラウディオ・ラニエリ監督がチェルシー時代にそう呼ばれていた)となってしまう弱点がある。

 それがUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝という場面で露呈してしまったのは、本当に痛かった。

 チームの精神的な支柱で中盤の底を固めるベテランのフェルナンジーニョやフィジカルなボランチであるロドリがいたら、カイ・ハフェルツのゴールの起点にもなったチェルシーのカウンターをあれほど再三食らっただろうか。

 それになぜ、今季の終盤不振に陥っていたラヒーム・スターリングを先発させたのか? あの位置で絶好調だったフィル・フォーデンを中盤に下げて、決定力も低下したのは明らかだった。

 攻撃的な布陣であることは分かるが、先発メンバーとして初めての組み合わせとなるイレブンを、この欧州最大の試合で繰り出したグアルディオラの決断は、失敗してしまうと非難の的になるのは当然で、明らかな敗因の一つに結びついてしまったことは否めない。

 しかし、このシティの敗戦で地元マンチェスターの“赤い半分”が大いに盛り上がったという。

 地元紙「マンチェスター・イブニング・ニュース」が掲載した記事を見ると、シティの敗戦が決まった瞬間から、ツイッター上には「The treble isn’t for everyone」(トレブルはみんなのものではない)「Still the ONLY side to do a TREBLE thank you God, that team in 99 the greatest English side EVER no debate anymore」(いまだトレブルを達成したチームはただ一つ。神に感謝。それは99年のチーム。あれがイングランド最高のチームであることに議論はいらない)等々、往年のアレックス・ファーガソン監督が3つのトロフィーの前で微笑む写真とともに、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターの投稿が殺到したという。

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森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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