久保建英の「出場機会が少なすぎる」 スペイン人記者、ヘタフェ監督の采配に疑問符

セルタの地元紙「エル・コレオ・ガジェゴ」のアンショ・タト記者【写真:高橋智行】
セルタの地元紙「エル・コレオ・ガジェゴ」のアンショ・タト記者【写真:高橋智行】

セルタ戦での久保は「チャンスを生かそうと意欲的にプレーしていた」

 セルタ戦で30分間プレーした久保のパフォーマンスについて、スペイン紙「マルカ」、「AS」ともに1点(最高3点)という微妙な評価をつけた。また「AS」紙は「久保は右サイドでプレーするも、あまりチャンスを作れなかった。また、より意外性のあるアクションを発揮しつつ、ピッチ中央に顔を出そうとしていた」と評し、右サイドよりも中に入った時のほうが面白いプレーを見せていたことを強調した。

 この日、ヘタフェの対戦相手となったセルタの地元紙「エル・コレオ・ガジェゴ」のアンショ・タト記者に試合後、久保のパフォーマンスについて聞いてみた。

「久保は最近、あまり出場機会に恵まれていなかったが、今日は与えられたチャンスを生かそうと意欲的にプレーしていた。右サイドからピッチ中央に入り、積極的に攻撃に絡みにいっていた。特にペナルティーエリア内にいたアンヘルに向け、何本かクロスボールを送っていたが上手く合わせることはできなかった。今日は久保について特筆すべき点はなかったと思う」と精力的に動いたことを評価しつつも、大きな成果がなかったことを強調した。

 久保がヘタフェで置かれている状況については、「今冬、補強の目玉としてヘタフェに加入したにもかかわらず、ボルダラス指揮下のチームであまりにも出場機会が少なすぎると私は感じている。なぜなら久保は、試合に出場した時は個性を発揮しているし、優れた特長を備えていることを感じさせているからね。今後、どんなふうにチャンスを掴んでいくのか、注目したいと思う」と、出番の少なさに疑問を持っている様子だった。

 久保のヘタフェ加入後のリーグ戦成績は、16試合(先発7試合、フル出場1試合)、697分間出場、0得点1アシスト。ボルダラス監督の保守的なプレースタイルに大きな影響を受け、結果を出すのに苦しんでいる。

 ヘタフェはこの後、16日にホームで13位レバンテ、23日にアウェーで10位グラナダと対戦する。チームにとっても久保にとっても今季最後となるこの2試合、残留を決めるためにも絶対に勝たなければいけない戦いとなる。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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