スーパーリーグ構想が「読み違えた」ものとは? 欧州ファンが譲らなかった原点

今回は欧州ファンの“正義”が勝利、ここから何を学び改善していくか

 どちらが良いかは一概には言えない。ただ、ヨーロッパのファンはCMを入れるためにクォーター制が導入されたり、昇格降格もなく、ルールを安易に変更するようなやり方を好んでいない。ただでさえ遠くへ行ってしまったサッカーが、完全に手の届かないところまで行ってしまうのは容認できなかった。ビッグクラブのファンでさえ、スーパーリーグには反対だった。

 クラブは人々のものである。現実はそうでないかもしれないが、その原点を譲らなかった。そして、ファンの了承なしには何事もなしえないことを、今回の件でビッグクラブのオーナーたちは思い知らされたわけだ。JPモルガンは、それを「読み違えた」。今回はヨーロッパのファンの“正義”が勝った。ただ、ビッグクラブがあまりにも性急に、ファンを無視して重大な決定をするという、とんでもなく稚拙なやり方が瓦解を招いたにすぎないという見方もできる。ここから何を学び、どう改善していくかが注目される。

(西部謙司 / Kenji Nishibe)


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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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