ニース2軍で半年間氷付けの日々を乗り越えた

　ベン・アルファにとっても、ステップアップしたはずのプレミアリーグで屈辱にまみれ、フランスに戻ってきただけに“再栄転”となる。リヨン、マルセイユでの活躍が認められて2010-11シーズン、ニューカッスルにレンタル加入したものの直後のマンチェスター・シティ戦で凶悪クラッシャー、ナイジェル・デヨング（現LAギャラクシー）の悪質なタックルを食らって1シーズンを棒に振った。

　復帰後はさしたるインパクトを残せず、14年夏に下部リーグのハル・シティにレンタル移籍させられた。苦渋の日々15年1月には母国ニースと契約したものの、ニューカッスルのリザーブチームでのプレーが公式戦出場とFIFAに判断され、そのシーズンの試合出場が認められず半年間も氷漬けにされた時期もあった。

　サッカーの母国では苦汁をなめ続けた。「終わった選手」「フロップ（失敗作）」とも揶揄された天才ドリブラーが母国での活躍を認められて世界最高峰のクラブへと加入する。バルセロナ移籍が実現すれば、ベン・アルファは29歳にして最高の逆転劇を果たすことになる。自らを見限ったニューカッスルやハル・シティへの爽快なリベンジとなりそうだ。

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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images