年俸180万円からのプロ生活 元Jリーガー小椋祥平は「生き残るため」に“マムシ”になった

新たなフィールドの仕事への意気込みも語ってくれた【写真:藤井雅彦】
新たなフィールドの仕事への意気込みも語ってくれた【写真:藤井雅彦】

プロサッカー人生に悔いがないからこそ「サッカー以外」の道へ

 2014年いっぱいで横浜FMを退団してからもG大阪やモンテディオ山形、そして甲府でプレーした。ただ、やはり全盛期は横浜FM時代で、日本代表のラージグループとして国際大会にも予備登録された。そして偉大な先輩たちに認められ、信頼してもらえたことが小椋にとって大きな財産となった。

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 プロサッカー選手として酸いも甘いも知った。ギリギリの線でJリーグの世界へ飛び込み、一心不乱に頂上付近へ駆け上がった。Jリーガーとして過ごした16年間のプロサッカー人生に一切悔いはない。

 だからこそ、次なる活躍の場として「サッカー以外」を求めた。

「サッカー選手としてはひと区切りしたと思っています。指導者のライセンスは一切持っていないですし、サッカー以外で何かできないか考えました。サッカー界しか知らないのは一人の社会人として物足りない気持ちもありました。いろいろなことを勉強して、挑戦した結果、サッカーに戻ってくることもできるはず。だから今は新たなフィールドで頑張ろうと思います」

 ピッチを離れた“マムシ”は、実はあまり執念深くなかった。それよりも新たなステージでの挑戦に目を輝かせ、胸を高鳴らせている。

 小椋祥平のセカンドキャリアが始まった。(文中敬称略)

藤井雅彦

ふじい・まさひこ/1983年生まれ、神奈川県出身。日本ジャーナリスト専門学校在学中からボランティア形式でサッカー業界に携わり、卒業後にフリーランスとして活動開始。サッカー専門新聞『EL GOLAZO』創刊号から寄稿し、ドイツW杯取材を経て2006年から横浜F・マリノス担当に。12年からはウェブマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』(https://www.targma.jp/yokohama-ex/)の責任編集として密着取材を続けている。著書に『横浜F・マリノス 変革のトリコロール秘史』、構成に『中村俊輔式 サッカー観戦術』『サッカー・J2論/松井大輔』『ゴールへの道は自分自身で切り拓くものだ/山瀬功治』(発行はすべてワニブックス)がある。

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