「寿司の国」は人種差別的発言? 現地レポーターの室屋への発言がドイツで物議
ハノーファー戦を担当したダールマン氏の発言にSNS上で批判が殺到
6日に行われたブンデスリーガ2部第24節アウエ対ハノーファーの一戦で、衛星放送「スカイ・スポーツ」ドイツ版の現地レポーターが、ハノーファーの日本代表DF室屋成に対して放ったコメントが人種差別的であるとして、ドイツで物議を醸している。
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この試合に先発した室屋は、1-1で迎えた試合終了間際に得点のチャンスを迎えるが、生かすことができなかった。そして室屋のこのプレーについて、「スカイ・スポーツ」の現地レポーターを務めるヨルク・ダールマン氏が「これが決まっていれば、彼のハノーファーでの初ゴールになるはずでした。彼は自身の最後のゴールを寿司の国で決めています」と発言。これに対して「人種差別は容認できない」「がさつすぎる」「スカイは彼をなんとかしろ」といった批判がSNS上で起こり、問題になっていた。
もっとも、当事者たちはこの問題についてそれほどの大事件ではないと考えているようだ。
ダールマン氏はインスタグラムで、今回の件について「普通であれば、こんな馬鹿げたことに答えるつもりはない。私が日本のことを寿司の国と見なせば、それは人種差別になるのか? そんなことはあり得ないだろう?」というコメントを投稿し、自身の発言は人種差別にはあたらないと主張。また、この件についてドイツ紙「ビルト」から取材を受けたハノーファーの関係者も、「ダールマン氏の発言は面白くもおかしくもなかったが、だからと言って彼を人種差別的な思想の持ち主と決めつけることや、それに類似する行動は間違いだ」として、この件に関して行き過ぎた批判があることに懸念を示した。
ダールマン氏の発言が問題視された原因は、同氏が過去にも試合中継の中で不適切な発言をしているからのようだ。
同氏は昨年12月に行われたDFBポカール2回戦のウニオン・ベルリン対パーダーボルン戦で3失点を喫したウニオンのGKロリス・カリウスについて、「彼はベルリンで、またベンチに座ることになりそうだ。でも、ベンチに座ることでガールフレンドのソフィア・トマーラ(女優)と家でゆっくり過ごせるというメリットもある。ソフィアと一晩過ごせるなら私も喜んで控えに回るだろう」と発言し、問題になっていた。
本人とはまったく関係のないところで、思わぬ騒動により注目を浴びることになった室屋だが、アウエ戦にもフル出場を果たし、これで今季リーグ戦24試合中23試合に出場。移籍1年目ながら、不動の存在として着実に評価を高めているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)