サッカーは「ミスのゲーム」 CLラウンド16、バルサの“小さなミス”が最も深刻?

バルセロナDFジェラール・ピケ【写真:Getty Images】
バルセロナDFジェラール・ピケ【写真:Getty Images】

【識者コラム】スコアレスが1試合もなかったCLラウンド16の4試合

「どちらのチームもミスをしなければ、試合は0-0で終わる」

 ACミランのレジェンドだったパオロ・マルディーニの言葉と記憶しているが、確かにサッカーはミスのゲームだ。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16がスタートし、まずは4試合が行われた。スコアレスは1つもない。つまり、ミスがあったわけだ。

 RBライプツィヒは、ミスで負ける典型のような試合をしてしまった。リバプール相手に勝つチャンスもありそうな内容だったのに、2つのミスで自滅している。1点目はキャプテンのマルセル・ザビッツァーがリバプールのモハメド・サラーへ“ラストパス”を送ってしまい、2点目はノルディ・ムキエレが頭を越えたボールにスライディングでクリアしようとして触れず、サディオ・マネが独走して決めている。どちらもミスらしいミスで残念感はいっぱいながら、チームとして改善しなければならない種類のものではない。明確なミスだけれども、傷は浅いかもしれない。

 ポルト対ユベントス、ポルトの1点目もユベントスのミスからだ。GKヴォイチェフ・シュチェスニーからロドリゴ・ベンタンクールにパス。ベンタンクールはGKシュチェスニーに戻したのだが、このパスが良くなかった。コースが少しずれていて、シュチェスニーが慌ててクリアしようとしたがポルトのFWメフディ・タレミがもう目の前まで来ていて押し込まれてしまった。結果は2-1でポルトが勝利しているから、この1点は痛恨である。

 ユベントスはミスからの失点後もGKからのパスをカットされて、際どいシュートを打たれる場面があった。GKも組み入れての自陣深くからのビルドアップは、多くのチームが取り入れているが、しばしばこうしたミスからの失点やピンチが起きている。この試合では相手のポルトがユベントスのビルドアップを狙っていたので単純なミスとは言えないが、相手のハイプレスは当然あることなので、やはりミスはミスである。

 ただ、アンドレア・ピルロ監督はビルドアップを重視しているので、この手のミスからの失点はいわばコストとも言える。長い目でみれば、それ以上のリターンがあると考えているはずだ。それがCLで起きたのは高くついたけれども、アウェーで1-2なのでまだ望みはある。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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