なぜイエローで、なぜレッドなのか? PK判定時の“決定機阻止”や“三重罰”の条件を解説

川崎フロンターレと大分トリニータの一戦でDF谷口彰悟にレッドカードが出されたシーン【写真:高橋 学】
川崎フロンターレと大分トリニータの一戦でDF谷口彰悟にレッドカードが出されたシーン【写真:高橋 学】

手を使った“決定機阻止”はペナルティーエリア内でもレッドカードの対象

 ペナルティーキック(PK)が与えられる事象は、サッカーの中でも得点に関わる重要な場面だ。しかし、ファウルの条件によって退場なのか、警告で済むのかが変わってくる難しさがある。DAZNが配信する「Jリーグジャッジリプレイ」第27回では、PKに関わるファウルの判定について議論が展開された。本稿では、番組を追いつつ、競技規則と照らし合わせてジャッジの是非と背景を考察する。

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 取り上げたのは、J1の試合から2つのシーンだ。まず例として出されたのは、21日に行われたJ1第28節、大分トリニータ対川崎フロンターレの一戦で起こったPKシーン。前半34分、川崎ディフェンスラインの裏へのフィードに抜け出した大分FW野村直輝を川崎DF谷口彰悟が後ろから手を使って倒してしまう。笠原寛貴主審は大分にPKを与え、谷口は退場となった。

 今回の配信では、元ベガルタ仙台監督の渡邉晋氏もゲスト出演。この場面に関してはその渡邉氏含め、全員が“決定機阻止(DOGSO)”であるとして退場でPKの“三重罰”判定で正しいとの見解を出した。ここでルール上の確認をしておく。

「決定機阻止(DOGSO)」は4つの条件が揃うことで成り立つ。それぞれ①ゴールとの距離、②プレーの方向、③ボールをキープまたはコントロールできる可能性、④守備側競技者の位置と数となっている。

 また三重罰とは、PK献上、一発退場、次節出場停止の3つの罰則を示す。ただ、ペナルティーエリア内では決定機阻止に値するファウルを犯した選手が「ボールにチャレンジした」と判断できる場合のみ、一発退場が警告に変わるという三重罰を軽減するルールも存在。同様に、ペナルティーエリア内で「大きなチャンスの阻止(SPA)」によりボールにチャレンジした場合は、警告からノーカードに軽減される。

 今回の谷口のプレーは決定機阻止の4条件に該当し、“手”で「相手の身体へファウル」を犯した。このことから、通常の「三重罰」でレッドカード相当だったと、東京都サッカー協会審判委員長を務める牧野明久氏は判定を総括している。

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