なぜイエローで、なぜレッドなのか? PK判定時の“決定機阻止”や“三重罰”の条件を解説

イエローカードに留まった難解なファウル判定 その違いとは?

 それと比較して、18日に行われたJ1第30節、川崎フロンターレ対横浜F・マリノスのPKシーンが挙げられている。後半アディショナルタイム、ペナルティーエリア前でパスを受けた川崎MF三笘薫がペナルティーエリア内へ運んだところで、横浜FMのDFチアゴ・マルチンスが倒して川崎がPKを獲得。この場面では、木村博之主審はチアゴへのイエローカードの提示に留まっている。この違いに注目したい。

 パスを受けた場面で三笘とチアゴは、ゴールに対してほぼ平行だった。その後、三笘が2タッチ目でチアゴの前に入ろうと右足アウトサイドでコース取りをした際にチアゴと接触している。一つ目のシーンとの大きな違いはここだ。このファウルが「決定機阻止(DOGSO)」なのか、「大きなチャンスの阻止(SPA)」なのかがはっきりしない。

 三笘とチアゴのケースでは、先述の4条件のうち、③のボールをキープまたはコントロールできる可能性が判断しにくい点だろう。審判団が「決定機阻止」とするならばレッド、「大きなチャンスの阻止」だと考えればイエローカードとなる。

 さらに難しくしているのが、「ボールにチャレンジした」かという部分。チアゴは足でのトリップと手で押すプッシングをほぼ同時に行っているように見える。こちらも先述したとおり、ペナルティーエリア内で「ボールにチャレンジした」場合であれば、一発退場が警告に変わるはずだが、この判定にも審判の主観や見ていた位置によって差異が出てくるだろう。

 番組上では、審判団がチアゴの“決定機阻止”で「ボールにチャレンジした」と判断し、一段下がったために警告に留まったのではと牧野氏は推察。ただ、別の捉え方もできる。決定機阻止の4条件に当てはまらないとし、「大きなチャンスの阻止」で手のプッシングを取った場合もルール上はイエローカードだ。経緯が異なっていても、カードの色は同じになる。このあたりは普段見ていても気が付きにくいところであり、本当のところは主審本人にしか分からない。

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