「シャペコエンセの悲劇」を忘れない 墜落事故から4年、元Jリーガーも犠牲となった現場は今

墜落現場の上空はリオ・ネグロの空港への飛行機の通り道になっている【写真:福岡吉央】
墜落現場の上空はリオ・ネグロの空港への飛行機の通り道になっている【写真:福岡吉央】

墜落現場は「天国にいるシャペコエンセ」と名付けられた

 当時、15歳だった第一発見者のジョアン・ラミレスくんはその後、「天使の少年」と讃えられ、ブラジルに招待されて、背番号10が入ったセレソン(ブラジル代表)のユニフォームを大統領から手渡された。

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 スペインの名門レアル・マドリードの試合にも招待された。父ミゲルさんは、自宅の庭に苗木を植え、それぞれの木に生き残った選手たちの名前をつけた。木はすくすくと育ち、今ではミカンの実をつけるまでに成長している。

 墜落現場はその後、「天国にいるシャペコエンセ」と名付けられ、この悲劇を忘れないようにと、破損した機体の一部や碑、クラブの旗などが掲げられた。そして容易には辿り着けない場所にもかかわらず、ブラジルのサッカーファンや決勝で対戦するはずだったアトレティコ・ナシオナルのサポーターをはじめ、世界中のサッカーファンが献花に訪れるようになった。ミゲルさんは「3年以上経った今でも、週末になると、200人くらいの人がこの地を訪れることもある」と明かす。

 毎年命日になるとミサが行われ、一部の遺族がブラジルから訪れ、花を手向けるセロ・ゴルド。コロナ禍の現在は、現地を訪問するサッカーファンの姿はほとんどないが、今年も今日28日にミサが行われる予定だ。山の尾根から犠牲者が眠る天国に向け、祈りが捧げられる。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)



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