「シャペコエンセの悲劇」を忘れない 墜落事故から4年、元Jリーガーも犠牲となった現場は今

墜落現場には機体の一部やシャペコエンセ、ブラジルの旗などが掲げられている【写真:福岡吉央】
墜落現場には機体の一部やシャペコエンセ、ブラジルの旗などが掲げられている【写真:福岡吉央】

【現地取材】“奇跡のクラブ”を襲った悲劇から28日で4年、事故はなぜ起きたのか

 南米サッカー連盟(CONMEBOL)が主催する国際大会コパ・スダメリカーナの決勝第1戦を戦うため、コロンビアに向かっていたブラジルのシャペコエンセの選手・関係者らを乗せた飛行機が、コロンビアの山中で墜落して11月28日で4年を迎える。「シャペコエンセの悲劇」と呼ばれたこの惨事で、チャーター機に搭乗していた77人のうち、71人が死亡。6人の生存者が救出された。

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 2016年11月28日夜、飛行機はどんな場所に墜落し、どのように救出が行われたのか。そして現場は今、どうなっているのか。墜落事故が起こった現場を訪れ、第一発見者の男性に当時の状況を聞いた。(※現地取材は今年2月に実施)

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 周りを緑の山々に囲まれ、放牧されている牛が草をついばむ、のどかな風景が広がるコロンビアのセロ・ゴルド。「肥えた小山」の意味を持つこの地は普段、メデジン郊外にあるリオ・ネグロのホセ・マリア・コルドバ空港に向かう飛行機が上空を通過する場所だった。

 だが、あの日は違った。

 コロンビアのメデジンを本拠地とするアトレティコ・ナシオナルとの決勝第1戦を11月30日に控えていたシャペコエンセのメンバーたちは、ブラジルのサンパウロからボリビアのサンタクルス経由で現地に向かっていた。ボリビアからは同国のラミア航空のチャーター機を利用。リオ・ネグロの空港に着陸する予定だった。

 だが、いくつかの要因が重なったことで墜落事故は起きた。飛行機が墜落した現場は空港まで約17キロの距離。チャーター便を運行したラミア航空は、サンタクルスからメデジンまでのぎりぎりの燃料しか搭載していなかった。当初は航路の途中にあるボリビア北部のコビハで給油し、メデジンまで向かう予定だった。だが搭乗後、選手の1人が積荷からゲーム機を取り出したいとリクエストしたことで出発が遅れ、コビハの空港の営業時間内に着陸することができなくなったため、機長の判断で給油を中止。航路上にあるメデジンの手前ボゴタで給油することもできたが、機長はその選択をせず、チャーター便はサンタクルスから直行でメデジンに向かうことになった。

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