酒井宏樹への「クソ中国人」発言“お咎めなし”に海外唖然 「ネイマールの侮辱は調査すら…」
フランス・プロリーグ機構は「差別的な言動を立証する証拠がない」と結論
フランス・プロリーグ機構(LFP)は現地時間9月30日、同13日に行われたリーグ・アン第3節のパリ・サンジェルマン(PSG)対マルセイユ戦で、人種差別的な言動があったとされたブラジル代表FWネイマールとスペイン人DFアルバロ・ゴンサレスに処分を科さないことを発表した。ネイマールはマルセイユの日本代表DF酒井宏樹に対して差別的な言葉を発した疑惑も浮上していたなかで“お咎めなし”となり、海外メディアも「調査すらされていない」と報じている。
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注目を浴びたのは、9月13日に行われたリーグ・アン第3節PSG対マルセイユ(0-1)のワンシーンだ。マルセイユが堅守で逃げ切ったなか、酒井と何度もマッチアップしたネイマールが感情を露わにする場面も見られた。スペインのラジオ局「カデナ・セール」の番組「El Larguero」公式ツイッターは、酒井に対してネイマールが暴言を吐いたとされる“証拠映像”を投稿して話題を呼んだ。
両チーム計5選手が退場する騒動も起きた一戦で、ネイマールはマルセイユのA・ゴンサレスから人種差別的な言葉を投げかけられたと主張し、A・ゴンサレスが「サル」と発言していたことが読唇術で確認されたと報じられた。
一方で、ネイマールもA・ゴンサレスに対して同性愛嫌悪発言をした疑惑があり、さらに酒井に「クソ中国人」と言い放った瞬間とされる映像が公開され、大きな注目を集めた。
そのなかで、LFPはネイマール、A・ゴンサレスの両者に処分は科さないと発表。その理由として「選手とクラブの話を聞き、試合中にネイマールがゴンサレスに対して、ゴンサレスがネイマールに対して行ったという差別的な言動を立証する証拠がない」とした。
フランスメディア「sports.fr」は、「ネイマールのサカイに対する侮辱は調査すらされていない!」との見出しで、今回の一件を取り上げている。
「水曜日に行われたリーグ懲戒委員会の会議はヒロキ・サカイに対するブラジル人の言葉を無視し、アルバロ・ゴンサレスとネイマールとの間の事件にのみフォーカスした。一触即発の出来事から2週間以上が経ったが、情報不足のため、委員会は最終的に両者にペナルティーを科さないことを決定した」
記事では、LFPの発表からは酒井に対する発言は今回の調査には含まれていなかったことを指摘。さらに「読唇術での分析も試みたが、残念ながら結論はあまりにも不確実で、制裁を与えるレベルに達していなかった」「読唇術は30%しか信用できなかった」というLFPの見解も紹介している。
半月にわたって大きな波紋を呼んだが、LFPの発表で事態は沈静化するだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)