浦和復権に燃える”新10番” 熱望していた広州恒大戦へ、勝利の鍵は「考えるスピード」

「やりづらい雰囲気で強いとは思うけど…」

 まさに、上昇気流に乗ったところで熱望していた広州戦を迎えることができる。「広州に向けて全然疲れが残ってないので、いい準備ができると思う。疲れなしで中国に行って、広州としっかり戦って勝ち点3を取りたい。そういうコンディションまで来ているし、逆に言えば、一番いいコンディション調整ができた」と話した。

 すでに、コロンビア代表FWジャクソン・マルティネスなど欧州トップレベルでプレーしてきた選手と対峙し、勝利するイメージはできている。柏木は、“考えるスピード”をポイントに挙げた。

「すごくやりづらい雰囲気で、強いとは思う。最近、海外の選手たちのスーパープレー集もよく見るけど、やっぱりすごいとは思う。ただ、あの人たちにスピードでは追い付けない部分があるから、考えるスピードと判断の早さを見習えば良さは出ると思う。パス&ゴーや前に行くスプリントの力が大事だと思うから、やっていきたい。相手は前の選手はそんなに守備をしないと思うから、後ろでのいいつなぎからしっかり入っていって、カウンターをさせない切り替えの早い守備をしたい」

 浦和もかつてアジア王者になったチームであり、それから10年近い月日が流れていても、知名度ではトップクラスだ。2013年にグループステージで対戦した際は、アウェーで敗戦したがホームでは勝利。その大会で優勝した広州を、浦和は唯一破ったチームになった。

 近年の“爆買い”中国の先陣を切った存在でもある広州との決戦は、グループステージの趨勢を決める大きなゲームになる。今季から背番号10を身につけるレフティーの輝きは、アジア全土に「浦和復権」をアピールするために欠かせない。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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