「南野の方が適任」 リバプール、大物FWの“獲得見送り”に現地注目「理由が明らかに…」
南野はドイツ代表FWヴェルナーよりも「戦術的な柔軟性をもたらす」と指摘
リバプールの日本代表MF南野拓実は現地時間5日、イングランド2部ブラックプールとのプレシーズンマッチにトップ下で先発出場し、1ゴール1アシストの活躍を披露。7-2の勝利に貢献した。リバプール専門メディアは「リバプールがヴェルナーの獲得を見送った理由が明らかになり始めており、タイトルレースを明確にさせる」と見出しを打ち、今夏チェルシーに加入したドイツ代表FWティモ・ヴェルナーと南野について脚光を当てている。
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リバプールはユルゲン・クロップ体制で4-3-3システムを基軸としてきたが、今夏のプレシーズンでは4-2-3-1システムに取り組んでいる。ブラックプール戦では、セネガル代表FWサディオ・マネ、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノ、エジプト代表FWモハメド・サラーの強力3トップの舵取りを担うトップ下に南野が配置された。
試合は前半15分、33分と立て続けに失点を喫するも、同43分に右CKのキッカーを務めた南野のショートパスから1点目を演出。後半7分にマネが同点弾を決めると、同9分にはペナルティーエリア右でボールを受けた南野が鋭いグラウンダーのシュートを放つと、ゴール前に構えていたフィルミーノが押し込んで勝ち越し弾をお膳立てした。さらに4-2で迎えた同26分、今度は南野がフィルミーノとの連係からネットを揺らした。
南野は1ゴール1アシストと印象的なパフォーマンスを披露したなか、リバプール専門メディア「リバプール・コム」は「リバプールはヴェルナーの獲得を見送った理由が明らかになり始めており、タイトルレースを明確にさせる」と見出しを打って特集。「リバプールはドイツ人アタッカーよりも南野の方が戦術的な柔軟性をもたらすと感じているのかもしれない」と取り上げている。
いまや世界トップクラスのストライカーと評されるヴェルナーは今夏のリバプールの最大のターゲットと報じられていたが、最終的にはチェルシーへの移籍が決定。記事では「クロップは間違いなくヴェルナーを望んでいたはずだが、サインに踏み切らなかった理由が説明されることはなかった。なぜ今になり、その理由が示され始めたと言えるのか?」として、南野の名前を挙げている。
「把握している限り、(サディオ・)マネがすぐにリバプールを出て行くことはない。(ロベルト・)フィルミーノに関しても、重大な責任が課せられている。そのサポートをするうえで、中心の深い位置でもプレーできる南野の方が適任であると判断した可能性が高い。ヴェルナーとサインすることで、何かを失うリスクは背負えなかったということかもしれない」
新型コロナウイルスによる資金の問題が報じられていたものの、仮にワールドクラスのストライカーであるヴェルナーが加入していた場合、リバプールの前線では壮絶なポジション争いが繰り広げられることが確実だった。ユルゲン・クロップ監督はその緊張感で相乗効果を狙う方法よりも、3トップの最大値を引き出すべく南野がサポートするバランスを優先し、ヴェルナー争奪戦に積極的な姿勢は示さなかったのかもしれない。