久保建英、ビジャレアルでスタメンを争うライバルは? 基本布陣やエメリ采配を検証
【スペイン発】カルタヘナ戦、テネリフェ戦を分析 エメリ新体制の主戦システムは4-4-2か
ビジャレアルは今夏、MFサンティ・カソルラやMFアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサなどの主力選手が退団した一方、ビッグクラブで指揮を執ってきた経験豊富なウナイ・エメリ新監督を迎え、レアル・マドリードから期限付き移籍で久保建英、バレンシアからMFダニエル・パレホとMFフランシス・コクランの主力2選手を完全移籍で獲得した。スペイン1部の中でも、特に補強が上手くいっているクラブと高い評価を受けている。
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そして8月22日から28日まで、スペイン南東部の町アルゴルファ(バレンシア州)で行われている合宿で、2部のカルタヘナ、テネリフェ、1部のバレンシアとの3試合、その後ホームに戻り、1部のレアル・ソシエダ、レバンテと2試合のプレシーズンマッチを経て、9月12日の週末に予定されているリーガ・エスパニョーラ開幕戦を迎えることになる。
プレシーズンマッチをまだ2試合しか戦っていないため、リーガ開幕戦に向けたメンバーについて語るのは時期尚早だが、システムに関しては、現段階では久保をトップ下で起用したカルタヘナ戦の後半以外で採用されている、4-4-2で臨む可能性が高いと思われる。
久保はここまで、カルタヘナ戦(3-1)でトップ下、テネリフェ戦(2-3)で右サイドハーフに入り45分ずつプレーしてきたが、連係不足も影響し、大きなインパクトを残せていない。しかしエメリ監督がカルタヘナ戦後に、「今、最も重要なのは出場時間を蓄積すること。我々は(MFアレックス・)バエナを除く全員を45分間プレーさせた」と語り、「選手たちに出場時間を与え、組み合わせやグループの中での個人のポテンシャル、選手たちのポジションを探すつもりだ。プレシーズンマッチは、そのためのものだからね」と、ここまでの2試合があくまでも調整であることを強調しているため、まだ焦る必要はないだろう。
こうした状況の中、ここ2試合の起用法を見てみると、昨シーズンの主力がベースになっており、GKセルヒオ・アセンホ、DFルベン・ペーニャ、DFパウ・トーレス、DFアルベルト・モレーノ、FWジェラール・モレーノ、FWパコ・アルカセルの6選手、そして新加入のパレホがレギュラーに近いと思われる。
パレホはバレンシア初年度の2011-12シーズンの1年間、エメリ監督の下で現在と同じダブルボランチの一角、もしくはトップ下でプレーした経験がある。
また、センターバックの残り1枠について、DFソフィアン・シャクラやDFハウメ・コスタが候補に挙がるが、ここまでなんらかの理由でメンバー入りしていない守備の要であるDFラウール・アルビオルに与えられる可能性が高い。パレホのボランチのパートナーは、ここ2試合でテストされてきたMFビセンテ・イボーラ、コクラン、MFモイ・ゴメスの3選手の中から選ばれるのが濃厚だ。
高橋智行
たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。