「見てみるといい」 日韓W杯優勝のブラジル代表DF、久保建英に勧めるメッシの参考点とは?

ビジャレアルMF久保建英(左)とバルセロナFWメッシ【写真:Getty Images & AP】
ビジャレアルMF久保建英(左)とバルセロナFWメッシ【写真:Getty Images & AP】

ビジャレアルOBのエジミウソン氏は、「常に攻撃的でスピーディー」と久保を評価

 ビジャレアルに期限付き移籍した日本代表MF久保建英は、新天地でも早速存在感を示している。現時点でのポテンシャルへの“リアル”な評価を探るべく、現役時代にリヨンやバルセロナ、そしてビジャレアルでもプレーし、2002年の日韓ワールドカップではブラジル代表の一員として世界一にも輝いた元ブラジル代表DFエジミウソン氏を直撃。現在は日本からの投資によるサッカークラブ「FC SKA(スカ)ブラジル」の会長を務め、日本の若い選手や少年たちを積極的に受け入れるなど、スペインと日本の両国と関係の深い守備職人は、ピッチ内外での久保の特長や、久保がアルゼンチン代表FWリオネル・メッシを参考にすべき点などを解説してくれた。

 2019-20シーズンをマジョルカで過ごした久保は、リーグ戦35試合に出場して4得点4アシストを記録。チームはリーグ19位に沈んで2部降格となったが、個人としては世界最高峰のスペイン挑戦1年目で堂々たる成績を残した。リーガ・エスパニョーラで計7年間戦ったエジミウソン氏は、久保には代名詞と言えるテクニックはもちろんのこと、スピードにも光るものがあるという。

「久保の特長は常に攻撃的で、非常にスピーディーな選手だということだ。彼の年齢(19歳)を考えると、今後経験を積むにつれてもっと成長していくと思う。ラ・リーガはとても難しいリーグだからね。2020-21シーズン、久保はマジョルカより良いチームに行く。ビジャレアルはとても良い試合のスタイルを実現しているし、チームメートたちの個々の技術的なクオリティーもこれまでより高い。だから、久保の個人的な成長にもとても良いことだと思う」

 久保を語るにあたっては、プレーはもちろん、成熟したメンタリティー、冷静な分析力や受け答えなど、パーソナリティーにも脚光が当たる。日本の若い選手や少年たちのプレーの特長や改善点などを熟知するエジミウソン氏の目には、久保が他の青年たちと何が違い、これだけの成功を収めていると映っているのか。

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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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