「見てみるといい」 日韓W杯優勝のブラジル代表DF、久保建英に勧めるメッシの参考点とは?

久保はスペイン語を話せ、自分は違いを見せられるんだという姿勢が必要だと理解している

「私はここ数年、よく日本に行って、サッカークリニックをしたり、ブラジルで、日本人の投資によるクラブも運営している。そのなかで日本人に関して難しいと感じているのは、控えめ過ぎるとでも言うのかな。試合では、もっと強いパーソナリティーがあってもいいと思う。日本の選手たちも才能があり、技術的なクオリティーは高い。だけど、ある一定の臆病なところがあるんだ。ボールを奪うには、実際、もっと強気にいかなければいけないとかね。

 クラブの大勢の中の1人になるためにそこにいるわけじゃない。日本人のクオリティーがあるうえで、自分は違いを見せられるんだと信じたら、つまりはもっと自信や勇気、大胆さを持てばさらに上までいける。久保はすでに、バルセロナの下部組織での経験がある。今回、レアル・マドリードを少し経験して、その後にマジョルカへ行ったわけだけど、彼はスペインサッカーの文化をよく分かっているはずだ。スペイン語も話せるしね。だから、才能や技術力以外に、現時点で大きな違いがあるとすれば、そういう姿勢が必要であることを、経験から分かっている、ということだと思うよ」

 久保はバルセロナの下部組織出身で、左利き、アタッカーというバックグラウンドからメッシとも何度も比較されてきた。メッシが17歳でトップチームデビューを果たした当時から、4年間同僚だったエジミウソン氏は「ジャパニーズ・メッシと呼ばれているから、というわけではなく」と前置きしたうえで、久保がメッシを参考にすべき部分を提示している。

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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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