南米ペルーのコロナ禍 日本人元Jリーガーが現地の“混乱”証言「生きることで精一杯」

マスク姿で決められた時間に買い物する人たち【写真:Getty Images】
マスク姿で決められた時間に買い物する人たち【写真:Getty Images】

24日ぶりに外出してスーパーへ 「物価はどれも3倍くらいになっていた」

 1週目は自分で考えたメニューをこなしていたが、2週目にはチームのフィジカルコーチからメニューがメールで届くようになった。そして先週からはオンライン会議用アプリ「Zoom」を使ったチーム練習が始まった。フィジカルコーチが画面を通じてメニューを伝え、選手たちはそれぞれの自宅でメニューをこなしている。

【PR】ABEMAでプレミアリーグ生中継!三笘所属ブライトンや遠藤所属リヴァプールなど厳選試合を無料生中継!

「中には、動いていなくて顔がぽっちゃりしたなと思う選手もいます。体を動かしていた選手とそうでない選手の差がありますね」

 当初、ペルーでは夜8時から翌朝5時までは完全外出禁止。昼間は家族で1人だけ、外出許可申請をし、その許可書を持った者だけが、買い物や病院に出かけられるというルールだった。3月31日からは夜間の外出禁止の開始時間が午後8時から午後6時(一部の州では午後4時)に早められた。4月3日からは男性が外出できるのが月、水、金曜、女性は火、木、土曜に定められ、日曜は完全外出禁止。8日には2度目となる期間の延長が発表され、非常事態宣言は4月26日まで続くことになった。犬の散歩も禁止されている。

 自家用車の利用は禁止されており、外出時には身分証とともに、居住地を証明する電気代の領収書などを携帯しなければならず、街中では軍や警察が、別の地区に行こうとしている違反者がいないか、目を光らせている。またチームの練習も、男性が外出できる日は買い物の時間を考慮し、朝からではなく夕方から開始するなど、生活に考慮した時間帯になっているという。

「これまでは妻が外出許可の申請をしていたので、非常事態宣言が出てから、僕はずっと家にいて、8日に初めて外出しました。24日ぶりの外でした。家の近くのスーパーに歩いて買い物に行っただけですが、すがすがしい気分になれた。いい気晴らしになりました。でも、物価はどれも3倍くらいになっていましたね」

 外出時はマスクの着用が義務付けられている。だが、マスクは売っていないため、娘の学校のオンライン授業を一緒に見てハンカチをマスク代わりに使う方法を学び、ゴムとハンカチで作った即席マスクを付け、手にはゴム手袋をして外出したそうだ。マスクを持っていない人に対しては警察が街中で配布しているという。

「日本人にはうがい、手洗いの習慣がありますが、ペルーにはない。マスクをする人はバカにされていた。でも、今ではマスクをバカにする人はほとんどいなくなりました」

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング