逆境を乗り越えての悲願のアジア制覇を誇る遠藤 「悔しさを糧に努力してきた」

「ここからが厳しい戦いになる」

 この世代は、アジアで苦しみ続けてきた。U-20ワールドカップへの出場権を逃し、アジア大会でも準々決勝で敗退。この最終予選の前には、本大会出場への悲観論を唱える声も小さくなかった。だが、そうした声はチームを強くする一つの力になったという。

「アジアで勝ててない世代でしたし、本当にリオに行けるのかという不安は皆さん持たれていたと思います。そういう悔しさを僕らはしっかり糧にして努力してきたつもりです。少しずつですけど成長してここまで来られたと思う。こうやって優勝して、良い結果を得られたのが本当に嬉しいです」

 この勝利で、アジア王者の称号を手にリオへと乗り込むことが決まった。しかし、本当の戦いはこれからだ。本戦の前には登録メンバーが18人に絞り込まれる上に、オーバーエイジとして3人の登録が許されている。この最終予選で一体感を見せたメンバー全員が本大会に進めるとは限らない。そして、遠藤自身も今季は浦和へ移籍しての1年目。優勝争いを続けているチームでのポジション争いという荒波も待っている。

「優勝はしたけど、ここからが厳しい戦いになる。それはチームとしてもそうですけど、個人個人がもっと成長しなくてはいけない。この優勝に満足せず、一人ひとりが努力していければいいと思います」

 この世代として初めてアジアの頂点に立ったチームのキャプテンは、すでに次の戦いを見据えていた。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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