「実験台のように扱われた」 元英代表FWルーニー、イベント中断の“遅い決断”に不満
他のリーグに比べ、試合延期が遅れたことに不満「ようやく正しい決断が下された」
ダービー・カウンティの元イングランド代表FWウェイン・ルーニーは、イングランドで新型コロナウイルスの影響によるサッカーイベント中断の判断が遅れたことについて「実験台のように扱われた」と不満を露わにした。「正しい決断が下された」と語った一方で、選手の健康を優先してより早い段階で試合開催を見送る必要があったと主張している。
新型コロナウイルスの感染拡大は、ここ数日の間にも急速に広まっている。欧州でも特に被害が深刻化しているイタリアでは、他国に先んじてあらゆるスポーツイベントの開催が中断された。スペインやフランス、ドイツなども続いて試合の延期が決まった。
イングランドはそうした判断が遅れた。現地時間12日にアーセナルのミケル・アルテタ監督やチェルシーのイングランド代表FWカラム・ハドソン=オドイの感染が発覚。急遽4月3日までに予定されているサッカーの全試合延期と決定した。
英2部ダービーでプレーするルーニーは英紙「タイムズ」のインタビューで、決定が遅れたことを批判している。
「緊急会議の後に、ようやく正しい決断が下された。それまで、イングランドのフットボーラーはほとんど実験台のように扱われていたと感じる。他のスポーツ、テニスやF1、ラグビー、ゴルフ、そして他の国のフットボールは中断されていたなかで、僕らは続けると言われていたんだ」
ルーニーによれば、実際に中断の発表を受けるまでは選手たち練習場で非常に不安な気持ちを抱えていたという。そして、スポーツよりも優先されるべきは安全だと主張している。
「俺らはシーズンを保留しなければならない。不満を持つ人もいるだろうが、俺はこうしたケースではフットボールは二の次にせざるをえないと思う。これはスポーツ、単なるスポーツに過ぎないんだ」
リーグ戦は全日程を消化できないまま終わる可能性や、延期を受けて日程をそのまま後ろ倒しにする案などが浮上している。ルーニーは「もしシーズンが延長されて9月までプレーすることになっても喜んでプレーする。これが僕らの仕事だ」と断言。やはり事態の収束を待っての再開を望んでいると語った。
サッカー関係者の感染も日に日に増加し、現状では各国ともに4月上旬の再開も難しいと言われている。前代未聞の事態に直面している2020年のサッカーシーズンはどのような結末に向かうのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)