「悔しかった」 “タイの英雄”ティーラシン、Jリーグ再挑戦の理由 2年前とは「全然違う」

Jリーグに戻ってきた清水エスパルスのティーラシン【写真:高橋学】
Jリーグに戻ってきた清水エスパルスのティーラシン【写真:高橋学】

清水に完全移籍、2年ぶりのJリーグ“帰還” 広島では32試合6得点の成績を残す

 1993年の開幕から今年で28年目を迎えたJリーグでは、これまで数多くの外国籍選手がプレーしてきた。長年にわたってプレーしクラブの象徴的な存在となる助っ人もいれば、日本のサッカーや文化に馴染めず短期間で去っていく選手もいる。そうしたなか、一度母国に戻りながら数年後にJリーグへ“再挑戦”するのはレアなケースだ。

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 タイ代表で106試合47得点という偉大な記録を残す31歳FWティーラシン・デーンダーは今季、J1リーグの清水エスパルスに完全移籍し2年ぶりに再来日。2018年に期限付き移籍で加入したサンフレッチェ広島では、リーグ戦32試合6得点の成績を残している。

「Jリーグはずっと自分の夢でした。だから清水エスパルスから連絡が入り、再びプレーするチャンスを与えてくれた時、すぐに日本行きを決めることができました。広島の時はレンタル契約。今回は完全移籍の契約なので、気持ちが全然違いますね」

 タイの名門ムアントン・ユナイテッドで長くプレーし、1部リーグ247試合117得点を誇るティーラシンだが、Jリーグ1年目となった一昨年の広島では、日本特有のサッカースタイルに苦労したという。

「広島では初めてのJリーグということもあって、コンディショニングなどがあまり上手くいかず、そこまで得点を奪えなかった。そして、やはりタイと日本のサッカーではスピードが全然違う。でも今回は自分にとって2年目だから、日本の環境やJリーグの雰囲気にも慣れがある。もちろん、まだまだ向上しなければならないことはたくさんあります」

 ティーラシンは過去にマンチェスター・シティ(イングランド)、グラスホッパー・チューリッヒ(スイス)、アルメリア(スペイン)と欧州3クラブに在籍経験があるが、同じ“国外挑戦”でもJリーグでプレーすることには異なる印象を持っているのだろうか。

「ヨーロッパと比べると、日本のサッカーのほうが攻撃も守備もみんながハードワークしないといけないし、走らないといけない。規律が重視され、実力的に劣るチームでもチーム一丸となって戦えば強豪チームを負かすこともできる。そこはビッグクラブとの実力差が大きいヨーロッパとは異なる、Jリーグの特徴だと思います。各リーグの難しさは異なりますが……個人的な意見としては日本のほうが自分は得意だと思う。同じアジア圏で、食文化も生活もタイと大きく変わらない。広島での1年間の経験があるし、慣れる自信はあります」

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