なぜボタフォゴは本田を獲得したのか Jクラブ監督経験者の幹部が語る“ケイスケ評”

ボタフォゴのテクニカルマネージャーを務めるヴァウジール・エスピノーザ氏【写真:藤原清美】
ボタフォゴのテクニカルマネージャーを務めるヴァウジール・エスピノーザ氏【写真:藤原清美】

本田に司令塔の役割を期待「彼が個人技を発揮する時は、チーム力を高めるため」

 そうした日本人の特徴は、日本人にとっては聞き慣れたことかもしれないが、ブラジルの、このサッカーチームに、そういうメンタリティーを取り入れるきっかけになれば、大きな意味があるはずだと、エスピノーザ氏は考えたという。

「そして、本田はここに到着してわずか数日で、その姿勢を示し、実践しているんだ」

 では、プレーについてはどうか。エスピノーザ氏は本田のプレーをこのように分析する。

「本田はテクニックがあり、経験もあり、動ける。フィニッシュも上手い。セットプレーも蹴れる。彼は日本代表のスタメンだったし、何度もワールドカップを戦った。つまり、それだけのクオリティーがあるということなんだ。ただ、彼が直面するであろう困難は、“適応”だ。日本でも、他の国々でも数々のクラブでプレーしてきたから分かっているだろうが、細かいところにも重要なことがいろいろある。だからこそ、ここにいる我々の誰もが、その適応をなるべく早くするために、サポートしたいと考えているんだ」

 入団会見の際、本田自身はボタフォゴにおける自分の役割は司令塔であり、前線の若い選手たちを生かすプレーがしたいと語っていた。

 これについて、エスピノーザ氏は本田の言葉に同調している。

「まさにそうだ。プレーを統率したり、攻撃の起点になったり、FWがゴールを決めるための、より良いコンディションを提供する。自分でフィニッシュを決めない時には、チャンスメイクにも必要なすべての特徴を持っている。そしてもう一つ、私が見ていて好きな特徴がある。彼は個人技で魅せようとする選手じゃない。彼が個人技を発揮する時は、それによって、チーム力を高めるためなんだ」

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藤原清美

ふじわら・きよみ/2001年にリオデジャネイロへ拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特に、サッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のテレビ・執筆などで活躍している。ワールドカップ6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTubeチャンネル『Planeta Kiyomi』も運営中。

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