VARへの“世論”を英調査 現状には反対派が多数…「サッカーの楽しみを奪っている」
プレミアリーグでは今季からVARを導入 運用方法の改善を求める意見が多数派に
プレミアリーグでは今季からVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入され、選手から反発の声が上がるなど、賛否両論が巻き起こっている。そんななか、英衛星放送「スカイ・スポーツ」は調査機関が発表したVARに対する“世論”を紹介。多くのファンが「VARは楽しみを奪っている」と考えていると伝えた。
今回、「スカイ・スポーツ」が報じたのは、イギリスの市場調査会社「YouGov」によって発表された数字。同社はプレミアリーグのファンを対象に「VARはどれだけプレミアリーグを良く/悪くしたか?」というアンケートを、頻繁に観戦する1419人の英国人を対象に実施し、その結果を現地時間4日に公開している。
そのなかで目立った数字は、67%が「VARはサッカーの楽しみを奪っている」、60%が「VARはプレミアリーグを悪くしている」と考えているというもの。少なくとも現時点では“反対派”が多数を占め、さらに「今と同じようにVARを運用してほしい」と考える層は8%しかいなかった。
一方で、VARの導入自体には前向きな意見も多く、74%が「使い方を変えて、今後もVARを継続してほしい」と回答。「VARは完全になくしてほしい」という意見は15%だった。「スカイ・スポーツ」によると、こうした現状を受けてプレミアリーグは各クラブのサポーター団体とミーティングを開き、VARの使用方法などについて説明を続けているという。
改善案として支持を集めた意見は「VARのチェックにかかる時間に上限を設ける」「VARが見ている映像をリアルタイムで見られるようにする」「審判団による会話を聞けるようにする」などで、いずれも70%以上のファンが導入に賛成していた。ただ、「スカイ・スポーツ」はそれぞれに相応の理由があり、即時の変更が難しいことも指摘している。
映像をチェックして正確な判定を下し、選手やファンにとって納得のいく結果を求めているはずのVARシステムだが、導入1年目のイングランドではまだ受け入れられていない様子。VARは今季からJリーグでも導入されるだけに、現状の課題を参考にしながらより良い形での運用を目指してほしいところだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)