「悔しさより怒り」 長谷部誠、EL32強も同僚に苦言の理由「守備もやらないし…」

ELギマラエス戦で流血しながらも指示を出すフランクフルトMF長谷部【写真:Getty Images】
ELギマラエス戦で流血しながらも指示を出すフランクフルトMF長谷部【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】ホームでギマラエスに2-3と逆転負け、グループ2位通過も不甲斐ない戦いぶり

 普段は試合後、すぐに気持ちを切り替えてメディア対応をする元日本代表MF長谷部誠だが、さすがにこの日は怒りを抑えることができなかった。12日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージ最終節、勝てばグループ1位通過の可能性があったフランクフルトは、すでに試合前の段階で最下位が確定しているギマラエスをホームに迎えたが、後半驚くほど消極的なプレーで2-3と逆転負けを喫してしまった。

 試合後のミックスゾーンでも、長谷部の表情は険しいまま。決勝トーナメント進出(ラウンド32)を果たした喜びを感じることもできないほどの試合内容だったからだ。

「いやー、もうホッとしたというよりは、悔しさとかそういうのよりも、結構怒りが今日の試合はあるかなというのがありますね。自分たちが勝てば1位通過できたわけだし、もちろん次に進めるというのはあるんですけど、試合運び、特に今日の後半の戦い方というのは、これではなかなか勝てないなというゲームだった。全体的に前半は先制されて、ひっくり返したのは相手のキーパーのミスとかもあったんですけど。ただ、この戦い方では決勝トーナメントに行ってもなかなか、勝つのは難しいかなと思います」

 前半、先制点を許しながら相手GKのキャッチミスと日本代表MF鎌田大地のきれいなゴールで2-1と逆転できたところまではまだ良かった。だが、後半はチームとして良いところが全くないほど受け身の戦いをしてしまった。ギマラエスにポンポンとパスをつながれてピンチをたびたび招く試合展開のなかでも、ピリッとした空気感がなかなか出てこない。

 後半40分、CKからMFアル・ムスラティに同点ゴールを許すと、完全に足が止まってしまう。そして同42分には、ペナルティーエリア付近でボールを持ったMFマーカス・エドワーズに誰もプレスに行かない。余裕を持って放たれた右足シュートは、慌ててブロックしようと寄せてきたフランクフルトMFジェルソン・フェルナンデスの足に当たって方向が変わり、ゴールネットに吸い込まれた。ガックリと肩を落とすフランクフルトの選手たち。だが、そうならないためのプレーをしようとしていただろうか。

 長谷部は指摘する。

「全体的にこう、FWの選手なんかも正直本当になかなか動かないし、守備もやらないし、後ろから言ってやっと動くような感じ。そういうのよりも、今日の自分たちはここで勝って、とにかく勢いを持って次に進むという思いのなかで、強いメンタリティーを出さなければいけなかった。それが後半なんかは全く見せられなかったし、2-1でいいやという戦い方をしていた。

 本当に小さなことの積み重ね。守備の部分で戻らなかったり、あと一歩行くところで行けなかったり。そういうところが、チームとして欠けているなと。そこの厳しさは、もっともっと求めていかないと厳しい」

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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