目前で逃し続けるタイトル、盟友の最後を飾れぬ悔しさ… レッズ阿部の目に浮かんだ涙の意味

「何回も悔しさしか残らない」

 これまでにペトロヴィッチ監督と積み重ねてきたサッカーに自信を持ち、継続性を持ってチームを構築してきたことへの自負もある。しかし、最後の一つの結果が出ないことが阿部の表情を曇らせる。

「何回も悔しさしか残らないので。あとはこの元日に、大勢の真っ赤な方たちが来ていたので、新年だし、終わった時に笑って帰れなかったことが残念」

 スタジアムの7割ほどを埋めた浦和サポーターの大声援に応えられなかったことへの悔恨が、試合後の阿部を支配していた。

 それに加え、このゲームにはどうしても勝ちたい理由があった。同じ1981年生まれで、浦和一筋で16シーズンを戦い、アテネ五輪予選などを共に戦ってきたMF鈴木啓太にとって、現役最後の一戦になっていたからだ。昨季終盤から不整脈を患った鈴木は、このゲームでもベンチ外。最後の練習となった12月31日には、「未来のある若手にチャンスを与えてほしい」と話していた。

 

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