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なぜ2人の日本人女子はスペインへ? 両国の“違い”を指摘「チャレンジしたかった」
1部と2部を合わせて14選手が活躍 2部リーグで桑原茜と羽座妃粋の“日本人ダービー”が実現
スペイン女子2部リーグ北のカタルーニャ州ダービーに、2人の日本人選手が出場した。1人は8位のCEセアグル・バダロナのFW桑原茜。そして、もう1人は4位のAEM・デ・レイダのDF羽座妃粋だ。
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試合がキックオフされたのは12月1日の正午。スタジアムには約300人の観客が集まった。ダービーといえど、どこか牧歌的な雰囲気があり、スタンドでボール遊びしていた親子のボールがベンチ前に転がり、チームスタッフがボールを拾い上げる場面もあった。しかし、試合が終盤残り15分を切ったあたりから、会場の雰囲気が一変する。両チームのサポーターが、応援するクラブにゴールを求めていった。
この試合、桑原は4-3-3の右ウイングで先発出場し、ボールを受けると素早く前を向き、チャンスを作っていった。最初のチャンスは前半10分、中央に入って左足で放ったシュートは、枠の右へ逸れていった。同28分からは左サイドへ移る。その10分後には中央へ切れ込んだところで、相手にファウルで倒された。桑原は多くの見せ場を作ったものの、前半はスコアレスで終了する。
後半も試合の主導権はホームのセアグルが握った。そして迎えた後半6分、桑原が起点となった攻撃からCKを得る。そのCKからゴール前にこぼれたボールに鋭く反応した桑原が、ボールをゴールに押し込み1点を先制した。このゴールについて、桑原は「たまたまみたいな感じだった」と話したが、この日一番の歓声を呼んだのは彼女だった。
この試合、AEM・デ・レイダは主力の羽座ら数名を温存していた。先制されて少しずつ主力をピッチに入れて流れを取り戻していく。そして後半23分には右サイドの裏を取り、クロスから同点ゴールを決めた。しかし追いついてからは、再びホームのセアグルのスピード豊かなFWイリナを中心とした攻撃に晒された。
後半36分、ようやく羽座に出番がくる。3バックの中央に入った彼女は、「イリナのスピードに対応するように」と指示を受けてピッチに入った。会場が熱を帯びてくるなか、羽座はハイボールをヘッドでクリアし、相手のミドルシュートに対して体を張ったディフェンスを見せてピンチを未然に防いだ。その一方、同じピッチに立っていた桑原はチームが攻め急いだこともあり、左サイドで孤立する。それでも後半アディショナルタイムにはボレーシュートを放つチャンスがあったが、シュートは左に逸れていった。このままダービーは1-1で終了した。
試合後の両選手のコメントは対照的だった。羽座が「危ない試合で、負けていてもおかしくない内容でした。後半は特にやられたい放題だったので、むしろこっちからすると、よく防いだというか、(シュートを)外してもらえて助かりましたね」と、勝ち点1を獲得したゲームを振り返れば、桑原は「2週間前に『クリスマス休暇まで4試合あるから、そこまで全部勝てよ』と言われていたんです。先週、勝っていたので、『今週も』と気合いは入っていたのですが、逆にそれでみんな『やらないと』となりすぎて、空回りしていたかなと思います」と、勝ち点2を逃した悔しさを露わにした。