なぜ2人の日本人女子はスペインへ? 両国の“違い”を指摘「チャレンジしたかった」

なぜ、2人はスペインリーグへ挑戦したのか

 今回、カタルーニャ州ダービーで“日本人対決”が実現したが、現在スペインでプレーする日本の女子選手が増えている。1部と2部を合わせて、計14人もの選手が活躍の場をスペインに求めた。桑原と羽座は、なぜスペインへ渡ることを決意したのか。

 東海女子サッカーリーグのヴィアティン三重レディースから海を渡った桑原は、「海外にずっと興味があったんです。たまたまこっちでプレーしている友だちがいて、その人と話をしているうちにスペインに行きたい気持ちが強くなりました。語学の勉強も兼ねて、チャレンジをしてみようかなと思いました。まだ何をやりたいかは明確ではなくて、漠然としていますが、流暢に喋れるようになって仕事があればいいなという感じです」と語る。

 スペインのエージェントに話を聞いたところ、スペインでは2017年からワーキングホリデーが認められるようになり、そのビザを使ってプレーしている日本人選手が増加してきているのだ。桑原もサッカー選手として収入を得ているものの、生活費を補うために日本食レストランでアルバイトをしているという。「まだ言葉ができないのでホールではなく、キッチンで天ぷらを揚げています」と、その日常を教えてくれた。

 一方、日本の強豪INAC神戸レオネッサからスペインへ渡った羽座は、プロとしてサッカーに専念している。移籍する際には「悩みました」というが、なでしこジャパン選出歴もある彼女は、選手としてステップアップしたい気持ちから、移籍を選択したという。

「私も、元々海外でプレーしたい気持ちは強くありました。スペインという国にこだわりがあったわけではないのですが、知り合いを通じて来させてもらう機会がありました。海外でチャレンジしたい気持ちとか、フィジカルとか、スピードを体感してみたいなと思いました」と、説明する。

 普段は3バックの左右どちらかで出場するという羽座だが、この試合では初めて3バックの中央を任された。「いつもはサイドを守っているのですが、サイドは速い選手が多いので、そういう選手との駆け引きは勉強になるなと感じています」と言う。

 技術ではスペイン人選手たちにも引けをとらなかった桑原も、「スピードとか、体の強さで勝負したら負けますし、まともに当たったら吹っ飛ばされてしまいます。スペインの選手は、当たることを気にしないでぶつかってくるので。だから、相手を避ける技術は大事ですよね。『うわ、来る!』 と思ったら当たる前に避ける。今日の試合でも、避けて、よろけて転んだところでファウルを取ってもらえました」と、身体能力の高い選手が多い欧州で戦う術を身に着けつつあるという。

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