香川真司「温存の理由」をサラゴサ記者が指摘 “急失速”のチームが苦しむ要因とは?

サラゴサMF香川真司【写真:Getty Images】
サラゴサMF香川真司【写真:Getty Images】

延期されていた敵地フエンラブラダ戦、メンバー入りした試合で今季初の“ベンチスタート”

 スペイン2部サラゴサのMF香川真司が現地時間16日、延期されていたリーグ第6節フエンラブラダ戦で今夏の加入後、初のベンチスタートとなった。

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 この試合は当初、9月18日に行われる予定だった。しかしフエンラブラダの選手たちが、アウェーの第5節ルーゴ戦(0-2)の遠征で体調を崩し、クラブスタッフも含め集団で胃腸炎にかかっていることが発覚。そのため、フエンラブラダはサラゴサ戦前日にスペインサッカー連盟に延期を申し入れ受理されていた。

 サラゴサにとって、この延期は間違いなく良いものではなかったはずだ。なぜなら当時は、開幕から5試合を戦い4勝1分の2位と好調を維持していたため、是が非でもプレーしたい試合であっただろう。

 フエンラブラダはスペインの首都マドリードから、電車やバスで1時間圏内にあるマドリード州のクラブ。今夏のプレシーズンには、元日本代表MF加藤恒平が入団テストを受け練習試合にも参加していた。

 スタジアム名はこの街の出身で、アトレチコ・マドリード、リバプール、チェルシー、ACミラン、そしてサガン鳥栖でプレーし、今夏引退したスペインの伝説的選手の名を冠している。その名も“エスタディオ・フェルナンド・トーレス”。こけら落としは2011年で、対戦相手はアトレチコ・マドリードだった。

 フエンラブラダが2部リーグを戦うのは今シーズンが初めてだが、ここまでの10試合を5勝2分3敗の勝ち点17で6位と好調を維持していた。さらに、この日勝利すれば5勝4分1敗の勝ち点19で3位のサラゴサを抜くチャンス。またホームでは昨年10月8日に敗れて以来、1年以上負けておらず、 “エスタディオ・フェルナンド・トーレス”はまさに要塞と化していたのである。

 一方のサラゴサは前節ヌマンシア戦(1-0)に勝ったとはいえ、FWラファエル・ドゥワメナを心臓病で欠きストライカー不足が深刻化しており、チーム状態が良いとは言えないなかでハードな平日開催のアウェーゲームに臨むことになった。

 そうしたなかビクトル・フェルナンデス監督は今回、香川やFWルイス・スアレス、MFイニゴ・エグアラスといった主力をベンチに置き、システムを前節ヌマンシア戦の4-2-3-1から4-1-4-1に変更した。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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