J1浦和を“真っ向勝負”で撃破 「アマチュアの雄」Honda FCが見せた美しき番狂わせ

Honda FCが見せた美しき番狂わせ(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】
Honda FCが見せた美しき番狂わせ(※写真はイメージです)【写真:Getty Images】

天皇杯16強でジャイアントキリング! JFLのHonda FCが浦和に2-0快勝

 美しく、そして清々しいジャイアントキリングだった。天皇杯ラウンド16でJ1浦和レッズと対戦したJFLのHonda FCは、後半の2得点で2-0の勝利を収めた。井幡博康監督は、「ブロックを作って一発カウンターで事故のような得点で勝ってしまう。それで称賛されても何も面白くない」と、勝ち方へのこだわりを話した。

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 浦和はこの試合から中2日で、J1リーグの残留争いで大一番と言える16位サガン鳥栖とのアウェーゲームを控えていた。そのため、リーグ戦で出場機会の多い選手たちのほとんどが温存され、立ち上がりからピリッとしない内容だった。一方で井幡監督も「ゲーム内容としては、まだまだボールを握れる場面が前半のところに多くあった」と、昨年度の天皇杯王者でJ1の浦和を相手に0-0でハーフタイムを迎えた前半の内容にも不満があったと話す。

 一方で後半には「守備へのアプローチの仕方のところも、選手がしっかりと理解してできた」と話し、残り10分を切ってから2ゴールを奪った内容にも「ゲームの終盤のところで、最後の15分でパワーを出せるというのは、日頃のトレーニングの成果」と笑みを浮かべた。

 サッカー界で支配的な見方をすれば、この試合結果は「浦和の失態」と捉えられて然るべきだろう。アマチュアチームのHonda FCが痛快な番狂わせを演じたとの見方もある。井幡監督は「素晴らしい内容のゲームだけではなく、いかなる時もどんな相手でも勝つというところに、選手が力強く戦ってくれた結果」と、勝利へのこだわりを話した。しかしながら、それと同時にこだわったのは、「どうやって」その結果を導くのかということだった。

「アマチュアのクラブのなかでもしっかりと規律のあるチームで、そのプレーに対してどういう意図があるか、ということを選手がしっかりと理解してやれば、Jクラブとの差は埋まってくるのではないかと感じて日々トレーニングをやっている。下のカテゴリーのチームがJクラブを倒すというのは、ブロックを作って一発カウンターで事故のような得点で勝ってしまう。それで称賛されても、何も面白くないというのがある」

 格上と目される相手に実力差を認め、守備を固めてスキを窺うのもサッカーにおいて勝つための工夫の一つだ。また、そうしたくなくても圧倒的にボールを保持されて、自陣に押し込められてしまうこともあるだろう。

 しかし、Honda FCが求めたのは自分たちの最大限を攻撃にぶつけ、その上で勝利の可能性を上げるという真っ向勝負と言えるもの。そして、それを中立地とはいえ浦和の“ホーム”である埼玉スタジアムで開催された試合で徹頭徹尾やりきった。

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