“勝ち方”を忘れた浦和、16位と“4差” J1「残留争い」とカップ戦「3冠」に挑むジレンマ

深刻な得点力不足、リーグ戦25試合で24ゴール

 まず、日程的な部分ではこの湘南戦後の代表活動期間中にルヴァンカップの準々決勝、鹿島アントラーズ戦が2試合(4日、8日)あるため、時間をかけてトレーニングによる修正を図ることができない。さらに、残留争いの直接対決となる9月28日の第27節サガン鳥栖戦は、浦和にとってはカップ戦を含む4連戦の最終戦になる一方で、相手は中9日と調整十分という状況でアウェーゲームを戦わなければならない。それに加え、浦和は現在の上位5チームのうち4チームとの対戦を残している。そう考えれば、リーグ終盤戦を決して楽な状態で迎えることはできないだろう。

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 この湘南戦では興梠が今季のリーグ戦で10得点目を決めて、前人未到のJ1リーグ8年連続二桁得点を記録した。25節終了時で5試合に2点の割合で得点するエースを擁しながら総得点は24と、明らかに得点力不足に苦しんでいる。エース以外の得点パターンを見出せないまま終盤戦を迎え、さらにタイトルを争うカップ戦を並行して戦うため、興梠を簡単には温存できない。万能型のストライカーと言えども、残り3カ月近くトップコンディションを維持するのは簡単ではないだろう。

 大槻監督は湘南戦後に「毎回、練習から結果しか強調していません。今日も選手が結果にこだわっていないかと言えば、こだわっていないとは思っていません」と話した。しかし、そのこだわりは興梠が「自分が思うのは少し後ろが重たいのかなと。この1点を守りきろうというのが、誰も思ってはいないだろうけども、その気持ちが少しでもあるから後ろが重たくなると思う」と話したような部分に表れ、かえって試合終盤を難しくした面があるのかもしれない。それはそのまま、残留争いのチームが味わう典型的な苦しみだと言える。

 カップ戦で一戦必勝、あるいはホーム&アウェーの2試合単位で集中力を発揮しながら、リーグ戦では勝ち点不足から負のスパイラルに陥りつつあるのが今の浦和だと言えるだろう。カップ戦のタイトルという“天国”と、J2降格という“地獄”のどちらも見える立ち位置で秋を迎える浦和は、カップ戦で見せているポテンシャルを発揮してリーグ残留争いから抜け出していくことができるのか。前人未到のリーグとACLの同時制覇を掲げてシーズンをスタートした浦和は、今季のJ1において予想とは違った形で注目を集めることになっている。

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(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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