セルビア2部メタラツMFグルボヴィッチ、相手選手が傷むなかでプレーを続行して得点

　セルビア2部リーグで衝撃のプレーが生まれた。敵が傷んだなかでプレーを続行し、“単独カウンター”で先制ゴールを奪取。激昂した相手に追いかけられ、逃走後に乱闘騒ぎになる事態となり、海外メディアも「フェアプレー無視」「異常な瞬間」と報じている。

　セルビア2部第5節のFKメタラツ対バチュカ・パランカ戦で“事件”は起こった。0-0で迎えた前半45分、敵地に乗り込んだバチュカ・パランカの選手がドリブルで持ち込むが、鋭いタックルを受けてピッチに倒れ込んだ。

　こぼれ球を拾ったメタラツのフィールドプレーヤーがGKにバックパスし、守護神ネマニャ・スチェキッチはこれを大きくクリアする。バチュカ・パランカの選手がプレーを切るように主張するなか、前線にいたセルビア人MFニコラ・グルボヴィッチはプレーを続行。スペースに抜け出してドリブルでペナルティーエリア内に侵入すると、飛び出してきたGKの上を抜くシュートでゴールネットを揺らした。

　このプレーにバチュカ・パランカの選手は激昂。複数人でグルボヴィッチを追いかけまわし、両軍が入り乱れる一触即発の事態に発展すると、グルボヴィッチは相手選手から顔面にパンチまで見舞われた。一連の乱闘騒動で両軍合わせて3人が一発退場となっている。

　スペイン紙「マルカ」は、「観客は目の前で起こっていることが信じられなかった」と報じ、チリのニュースサイト「BBCL Deportes」は「セルビアの異常な瞬間」と言及。メキシコメディア「tiempo」は「フェアプレー無視」とグルボヴィッチのプレーを断罪した。

　グルボヴィッチのプレーはしばらく波紋を呼ぶことになりそうだ。