J1昇格決定も「ひとつも嬉しくない」 シーズン途中に電撃加入…試合後には涙「申し訳ない」

今季途中からチームに加わった翁長聖【写真:柳瀬心祐】
今季途中からチームに加わった翁長聖【写真:柳瀬心祐】

貴重な同点弾を奪った長崎MF翁長聖

 V・ファーレン長崎は11月29日、J2リーグ最終節で徳島ヴォルティスと対戦し1-1のドローで終わった。この結果によりJ1昇格を決めたが、貴重な同点弾を奪ったMF翁長聖は試合後の取材対応で「嬉しさよりも悔しさが勝ちました」と語った。

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 翁長は2017年に長崎に加入しプロデビュー。3シーズンプレーしたのち、20年から大宮アルディージャ(現RB大宮アルディージャ)、22年からFC町田ゼルビアへ移籍し、昨季より東京Vに活躍の場を移した。東京Vでも主力として活躍し、今季も移籍するまでのリーグ戦全24試合に出場(うち19試合スタメン)していた状況で長崎に電撃復帰し、反響を呼んでいた。

 ドロー以上で昇格が決まり、勝てば自力での優勝が決まるなか、アウェーの徳島戦で長崎は苦戦。常にボールを握られピンチを招き、前半41分にセットプレーの流れから失点した。それでも後半23分に長崎MF笠柳翼が左サイドを突破しクロスを入れ、最後は翁長が流し込み貴重な同点弾を奪った。

 試合はそのまま終了し翁長のゴールがチームを昇格に導くゴールとなったが、翁長自身は取材対応に喜びはなく、悔しさの言葉が並べられた。

 得点シーンについては「ボールがこぼれてきたとき自分がフリーというのも分かりましたし、相手がどこにいるかもだいたい分かったので、相手に当たりましたけど入ってよかったなと思います」と振り返った。

 そして常に徳島に押されていた展開については「これは自分の心の中に思っていたことですけど、こういう展開になるだろうなと。相手は勝たなきゃいけない試合で、どうしても相手の方が上回ることはありえるだろうなと思って準備はしてきた。本当にそういうことになってしまって、失点もしてしまった。でも(山口)蛍くん含め経験のある選手もいるので、どこかで1本(チャンスは)あるだろうなとは思ってました。それが僕かどうか分からないですけど、マテウス(・ジェズス)もいますし、チームとしてチャンスは転がってくるだろうなと思ってました」と、試合前から想定していた事態になったものの、慌てずに試合を運べたと述べた。

 そして翁長自身3度目のJ1昇格を経験しているが、「今回が一番悪い意味で印象に残っています」と触れ、「結果ですね。自分たちが掴み取れる位置から最後こぼしてしまった。詰めの甘さであったり、チームとしての未熟さがちょっと出てしまったかなと思います」と厳しい口調で語った。

 試合終了後には涙も見せていた翁長だったが、「悔しさですね。ひとつも嬉しくなかった自分の中では」と明かし、「(ホッとした気持ちも)ないですね。昇格できて喜びというよりも、(チャンスを)こぼしてしまった悔しさが自分の中ですごくあったんで申し訳ないなと思います。途中から来たので、1年やっていたらまた話は違うと思いますけど、途中から来て優勝を目指していたなかだったので、悔しいなと思います」と率直な気持ちを打ち明けた。

 この試合には長崎からたくさんのサポーターがかけつけチームを後押し。翁長は感謝を気持ちを持ちながら、「皆さん来ていただいて、取りこぼしてしまったのは申し訳ないですけど、僕は喜べなかったですけど、昇格できてみんな嬉しそうだったのでよかったなと思います」と最後まで反省の言葉、悔しさを並べた。

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