クロップ監督、「欧州スーパーリーグ構想」に“苦言” 「CLこそがスーパーリーグ」
強行日程による選手の負担も配慮…「実現しないことを願っている」
リバプールの指揮官に就任して5シーズン目を迎えるユルゲン・クロップ監督は、欧州クラブ協会(ECA)と欧州サッカー連盟(UEFA)が以前から構想している「ヨーロッパ・スーパーリーグ」について自身の見解を主張。「スーパーリーグが発足しないことを願っている」と語り、実現を望まない考えを明かした。ドイツ紙「キッカー」が報じた。
欧州のビッグクラブが主軸となるECAとUEFAが、以前から構想しているとされるのがスーパーリーグだ。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループリーグにおけるクラブ間格差が増大していることに加え、ECA、UEFA、また各国映像会社の収入が思うように伸びていない現状を踏まえて新たな欧州リーグのフォーマットを模索。各国のトップチームが集うスーパーリーグ案を考え、2024年の実現に向けて動いているとされる。
この計画に批判の声を上げたのがクロップ監督だ。ドイツ紙「キッカー」のインタビューを受けたドイツ人指揮官は、「FIFAとUEFAは、多くのクラブのためにトーナメントを拡大しようとしている。そうすることによってサッカーが見られない日が無くなるのではないかと思われているが、それは逆だと思うよ」と語り、オフがなくなることで選手に対する負担が大きくなると非難している。
またクロップ監督は、欧州スーパーリーグを構想している人々に対して警告のメッセージを送っている。
「このスーパーリーグが決して実現しないことを願っている。CLの現在の運営方法を見ても、サッカーは欧州に素晴らしい商品を持っている。だが、余分なラウンドは娯楽ではない。私にとってはCLこそがスーパーリーグであり、自分のクラブをそのリーグに入れる必要があるとは思わない。もちろん経済的には重要かもしれないが、10年連続でリバプールとレアルが対戦するシステムを作る必要がありますか? 毎年、誰が見たいと言うんだい?」
毎年同じような対戦ばかりを見るのが本当に面白いのかと説いたクロップ監督。スーパーリーグを構想している人々にクロップ監督の思いは届くのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)