鎌田大地、フランクフルトで「見られ方が変わった」 指揮官は開幕戦“キーマン”に指名

シント=トロイデン時代はゴールで存在感を見せていた【写真:©STVV】
シント=トロイデン時代はゴールで存在感を見せていた【写真:©STVV】

ドイツに帰還して感じる余裕と信頼 「このチームですごくやりやすくなった」

 地元紙やスペイン紙ではレアルに移籍したヨビッチが再レンタルされ、フランクフルト復帰の可能性もあるのでは――と報じているが、代表取締役のフレディ・ボビッチ氏は15日の試合後、記者団に対して「『そうだ』とも、『そうではない』とも言わない。噂は噂だからだ。我々はFWの補強に動いている。目標はストラスブールとの(EL)プレーオフまでにピッチで助けとなる選手を補強することだ」と明かしていた。

 誰が来るのか、本当に来るのかはまだ分からない。そしてそこでの補強が、そのままチームの安心につながるわけでもない。昨シーズンと同じような戦い方を選べば、結局はFW陣の質と調子に頼ることしかできないからだ。

 ヒュッター監督が求めるのは、よりバリエーションに満ち、よりチームとして得点機を作り出し、生かすことだ。常々「中盤の選手の得点力が足らない」とこぼしていたが、だからこそ鎌田に期待が集まっている。昨シーズンはシント=トロイデンで16ゴール9アシストを挙げた。フランクフルトのプレシーズンでも、得点にしっかりと絡むプレーで評価を高めている。

 鎌田自身も手応えをつかんでいる。

「こっちのサッカーに慣れてきていると思う。かなり余裕ができて、日本でやっていた時と、あまり変わらない感覚でできている。周りから信頼してもらえるなと、今すごく感じている。サッカーも、このチームですごくやりやすくなった」

 実際にチームからの受け止められ方が変わってきた。ボールがスムーズに鎌田のもとへ集まり、ミスをしてもポジティブな声かけが増えているという。

「去年ベルギーでも、(点を)取ることで見られ方が変わったと感じている。僕自身も(フランクフルトでの)1年目の時とかよりもプレー自体が良くなってきて、それをみんなが見てくれて、接し方が変わってきたなと思います。(以前は)身体も少し線が細かったり、弱かったりして、みんなにも、監督にも言われていた。そこもこの2年である程度、改善できたと思う」

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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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